「頑固」の意味
「頑固」の使い方
1の意味「自分の考えを押し通す」
1の意味の「頑固」は、人の性格を表します。私たちの周りには、頑固者と言われる人たちがいます。頑固者は、自分の考えに固執して、他人の意見を聞かず、融通が利かないため、周りの者から扱いにくいと思われていることが多いですね。
しかし、好ましくない・つきあいづらいといった性格のように思われがちの「頑固」も、見方を変えると、意志が強い、あきらめずに最後までやり通すといった長所と言うこともできます。
【例文】
- 父は、自分の意見を決して曲げない頑固者で、いつも周りの人と衝突ばかりしている。
- 彼の長所は、生真面目なところだが、人によっては頑固な性格だと思っている人もいる。
- 彼女は、一見頑固そうに見えるが、実は柔軟な思考の持ち主だ。
2の意味「取り除くのが困難」
コマーシャルで「頑固な汚れに○○」というキャッチフレーズがあったのをご存じでしょうか。なかなか落ちない汚れや治療しても治らない病気などの症状に「頑固」を使います。
【例文】
- 年末の大掃除の時に頑固な煙草の脂(やに)で黄ばんだ壁紙を張り替えることにした。
- 風邪がなかなか治らず、頑固な咳が続くので、百日咳を疑って精密検査を受けた。
- しばらく雨ざらしで放っておいた自転車の錆(さび)を落とそうとしたが、頑固でなかなか落ちなかった。
「頑固」の類語
「石頭」
「石頭(いしあたま)」は、石のようにかたい頭という意味ですが、転じて、考え方が硬直的で融通の利かないこと、または、そのような人のことを指します。硬直的、融通が利かないということは、「頑固」にも通じる言葉です。
【例文】
- この先進的な技術は、わが社を大きく飛躍させる可能性を持っているのに、上層部は揃いも揃って石頭ばかりで、いくら説明しても理解しようとすらしない。
- 毎朝挨拶して顔見知りなのに、石頭の警備員は、身分証を忘れたと言っても中に入れてくれない。
「強情」
「強情(ごうじょう)」は、「剛情」とも書き、意地を通して、簡単に自分の考えを変えないことです。頑なな性格を表す言葉としては「頑固」と同じですが、「頑固」は、自分の意見を押し通すのに対し、「強情」には、自分の間違いを認めないというニュアンスもあります。
【例文】
- いつまでも強情を張っていないで、さっさとご飯を食べて寝なさい。
- 「禁煙しないと命の保証はできない」と言われても、強情な父は意に介さず煙草を吸い続け、とうとう医者も匙を投げた。
「偏屈」
「偏屈(へんくつ)」は、偏った性格でひねくれていること、素直でないことです。考えや行動に偏りがあり、素直でない点が、「頑固」に似ています。しかし、「頑固」には、自分の意見を押し通すという頑なさはあっても、ひねくれているという意味はありません。
しかし、傍から見ると周りと協調しない「頑固」なこと自体が、ひねくれていると見られることもあります。
【例文】
- 見合いで結婚した当初、夫は偏屈な人だと思っていたけど、一緒に暮らしていると家庭的な人だった。
- どうも彼には偏屈な考え方をする傾向があるようだ。
「頑固」の反対に近い意味の言葉
「柔軟」
「柔軟(じゅうなん)」は、柔らかいという意味が転じて、考えや態度が柔らかくて、頑なでないこと、一つのことに拘らないことを表すことから、自分の考えを押し通そうとする「頑固」とは反対の意味を持つ言葉です。
【例文】
「素直」
「頑固」の反対の意味に近い言葉としての「素直(すなお)」は、性格や態度にひねくれたところや逆らうことがなく、従順なことです。逆らわず、従順な点で「頑固」と反対ですね。
【例文】
- 彼女は、自分の仮説に論理的な矛盾があることを指摘されて、それを素直に認めた。
- 小さい頃は素直に親の言うことを聞いていたのに、今は親に反発するばかりだ。