「簡単」の意味と使い方
簡単:物事が込み入っていないさま
「簡単」は、物事が込み入ってなく単純にできているさま、または、本格的でなく手軽なさまをいいます。
【使用例】
- 簡単な作業ですのですぐに覚えてもらえると思います
- そんなに簡単な作りの器械だとは思わなかった
- 簡単に説明しますので少しだけお時間をください
- 時間が無かったので簡単な食事ですましました
簡単:容易であること
「簡単」のもう一つの意味に、行うのに手間がかからないさま。たやすい。容易というものがあります。
【使用例】
- 本当にその薬を飲むだけで簡単に治りますか
- 要点だけで良いのなら説明するのは簡単です
「簡単(物事が込み入っていないさま)」の類語
類語:簡素(かんそ)
「簡素」は、無駄をはぶき余計なものがなくて簡単で質素なさまをいいます。「簡単」がいろんな場合の構造や形式、働きについていうのに対して、「簡素」は儀式や生活などについていうことが多い言葉になります。また「簡素」には、それが望ましいという評価が伴います。
【使用例】
- 結婚式を簡素に行うことに決めました
- 田舎の実家は簡素で素朴な木造建築でした
- もうずいぶんと簡素な生活を送っています
類語:簡略(かんりゃく)
「簡略」は、細部をはぶいて簡単にしてあることをいいます。主に言葉や儀式などについていう言葉になります。
【使用例】
- 簡略な解説を添えておきます
- 要点だけを簡略に話してもらえたら助かります
- 式典をどうにか簡略化する案をだしてください
類語:簡潔(かんけつ)
「簡潔」は、簡単で要領よくまとまっていることをいいます。主に話や文章について使う言葉になります。また「簡素」と同じで、それが望ましいという評価が伴います。
【使用例】
- とても美しく簡潔な文章だと感じました
- もう少し要点を簡潔に述べていただけますか
類語:単純(たんじゅん)
「単純」は、ある要素だけで成り立っていて入り組んでいないさまをいいます。「簡単」が込み入っていないさまのみを表しているのに対して、「単純」はその状態がある要素(そのものだけで他の要素が混じっていない)で成り立っているという状態を表すニュアンスが含まれています。
【使用例】
- 単純な作業ばかりですぐに飽きてしまいました
- そうなることは単純に考えてもわかることだよ
- 勝負の世界は単純明快な論理で成り立っています
その他の類語
物事が込み入っていないさまを表す「簡単」には、他にも簡単で気軽なさまを表す「手軽(てがる)」や、文面や話が切り詰められて手っ取り早いさまを表す「手短(てみじか)」という類語があります。
また単純なさまをいうときに使う「シンプル」はよく使われる言葉ですし、状態や調子が単純で変化に乏しい時には「単調」もしくは「一本調子」などという言葉も使われます。
「簡単(物事が込み入っていないさま)」の対義語
「簡単」「単純」の対義語は、込み入ってるさまという意味の「複雑(ふくざつ)」です。
ちなみに「簡略」の対義語は「煩雑/繁雑(はんざつ)」ですが、「煩雑」は込み入っていてわずらわしいことをいい、「繁雑」はむやみにしなくてはいけないことが多くてわずらわしいことをいいます。
ただし最近ではそういった差を気にせずに「煩雑」の字を使うことが多くなっているようです。
「簡単(容易であること)」の類語
類語:容易(ようい)
「容易」は、物事が手間もなく行えるさまをいいます。「たやすい」「楽」「易しい」も同じ意味になります。
【使用例】
- こんな計算など容易なことだ
- 彼の予定なら容易に変更できると思われます
- 復旧するのは容易なことではありません
類語:平易(へいい)
「平易」は、(文章などが)難しくないこと、よくのみ込めることをいいます。「容易」は行うことがたやすいことを指しますが、「平易」は理解することがたやすいという意味で用いることが多い言葉です。
【使用例】
- 3年生には平易な文章問題かもしれません
- 専門用語ではなく平易な言葉でお願いします
その他の類語
容易であることを表す「簡単」には、「安易(努力しなくても訳なくできること)」「簡易(手軽でたやすいこと)」「イージー(easy)」といった言葉から、「手っ取り早い」「楽々」「ちょろい」「あっさり」「お茶の子」「朝飯前」「屁の河童」などの会話言葉まで多彩な類語があります。
「簡単(容易であること)」の対義語
「簡単」「容易」の対義語は、物事を実行したり解決したりすることが難しいことを表す「困難」という言葉です。
【使用例】
- 事故に遭ったために歩くことさえ困難になってしまった
- この国にはまだまだ困難な問題が山積しています