「指摘」の読み方
まず「指摘」は、「してき」と読みます。訓読みで「指」は「ゆび」や「さ(す)」、「摘」は「つ(む)」と読む字です。
「指摘」の意味
「指摘」とは、全体の中から特定の事柄を取り上げ、示すことを表します。もう少し噛み砕いて言いますと、欠点や過失などを具体的に指し示すという意味です。
注意点としてここでの指し示すとは、実際に指を使って指すことに限らず、言葉で伝えることなど、広い範囲を示します。
それぞれの字について、「指」は指し示す、指図するなどの意味を持っています。一方の「摘」には、選んで取り出す、暴き出すなどの意味があります。
「指摘」の使い方
「指摘」は名詞として「指摘によって~」や「指摘を~」と使われる一方で、動詞として「指摘する」や「指摘される」などのように使われます。また「ご指摘」という丁寧な表現でも、よく使われます。
例文①
【例:共同生活の中、彼の欠点を指摘する】
これは動詞として使っていて、「欠点を教える」や、「彼に対して欠点を伝える」と言い換えられます。そして「指摘」の意味にある全体の中という点について、ここでは共同生活の中を示しています。
欠点とは、たとえば当番制の掃除をサボるだとか、食器を片付けないだとか、そういう改めるべき部分のことです。
例文②
【例:仕事中、上司からご指摘を受ける】
これは名詞+丁寧な形で使っていて、「欠点や過失を伝えられる」や「大切な点を教えられる」と言い換えられます。
どちらの意味なのかは、状況やその「指摘」の内容による感じです。他には「弱点を指摘される」や、「ご指摘ください」などの表現があります。
「指摘」を表す英語
「指摘」を表す英語には、「advice」、「point out」、「recommendation」などがあります。まず「advice」は「アドバイス」と読み、片仮名でもよく使われていますね。この言葉には助言、忠告などの意味があります。
次に「point out」は、指示するや指摘するなどの意味を持っています。最後に「recommendation」には、推奨や勧告などの意味があります。その「指摘」の内容やニュアンスによって、使い分けるのが適切かと思います。
「指摘」の類語
「指摘」の類語には、「駄目出し」、「異議」、「突っ込み」、「正鵠を射る」などがあります。
「駄目出し」について
「駄目出(だめだ)し」とは、他人の行為や仕事などに対して、批判したり、改善を促すことを表します。つまり駄目なところを出す、ということです。
たとえば改善点を伝えられるという意味で、「先生に指摘される」は「先生に駄目出しされる」と言い換えられます。
「異議」について
「異議(いぎ)」は複数の意味を持っていますが、中でも一つの意見に対する、反対や不服な意見のことという点は、「指摘」に通じるところがあります。
たとえば会議において「意見の矛盾を指摘する」は、不服という意味で「異議を唱える」と言い換えられます。他の使い方に関しては、「異議を申し立てる」や「異議をとどめる」のような表現があります。
「突っ込み」について
「突っ込み」には幾つかの意味がありますが、中でも漫才などでボケに対して何かを指し示すことという点は、「指摘」に似ています。
そして現代で「突っ込み」という言葉は、漫才に限らず、日常生活でもよく使われています。たとえば過失という意味で「作業の途中、上司に指摘される」は、「作業の途中、上司に突っ込まれる」と言い換えられます。
この場合は過失をボケに見立てて、「突っ込み」を変化形で使っています。他にも「突っ込む」という形で使われたり、片仮名で「ツッコミ」と表したりします。
「正鵠を射る」について
「正鵠(せいこく)を射(い)る」とは、物事の急所や要点を正しく押さえることを表します。たとえば口頭での注意という意味で、「正しい指摘」は「正鵠を射た意見」と言い換えられます。