「従順」とは?意味や使い方をご紹介

「従順」とは、他者の言うことやルールなどに逆らわずに従う、素直でおとなしい様子を意味します。穏やかな美質であると同時に、自分の意見を持たないイエスマンと化す危険も併せ持つ性質です。今回は、「従順」の意味と使い方を、対義語も含めてご紹介します。

目次

  1. 「従順」とは?
  2. 「従順」の使い方
  3. 「従順」と「柔順」の違いとは?
  4. 「従順」の対義語とは?
  5. 「従順」まとめ

「従順」とは?

従順とは、人から言われたことに逆らわずに従う、おとなしく素直な様子を意味です。従う対象は、人間だけに限らず、ルールや組織そのものである場合もあります。

「従」は、従うという意味、「順」には、素直でおとなしいという意味があります。従順はこの二つの文字で成り立っていますから、単におとなしく穏やかな性質を指すだけではありません。「自分以外のものに逆らわない」という要素が含まれることがポイントです。

「従順」の使い方

(A課長)

小林君は、私の言うことには絶対逆らわない従順な部下だよ。でも、上司としては、もう少し自分というものを持って欲しいという、矛盾した気持ちにもなるね。

(B子)

うちの犬のポチは、私の言うことなら何でもきくのよ。その従順さに胸が熱くなるわ。

(C社長)

20時以降は残業代が出ないという我が社のルールに、社員は従順に従ってサービス残業をしてくれるんだ。申し訳なく、ありがたいことだよ。

「従順」と「柔順」の違いとは?

耳で「じゅうじゅん」と聞いたとき、その文脈をたどってさえ、「従順」か「柔順」か判断できないことがあります。二つの言葉には共通点があるからです。しかし、二つは同義ではなく、明らかな違いもあります。

「柔順」の意味

柔順の意味は、性質や態度が、おとなしく素直で、柔和であることです。人の性質を表した言葉で、「柔順な人」「柔順な態度」のように用いられます。

「従順」と「柔順」の相違点

「従順」と「柔順」に共通する点は、「素直でおとなしい性質」です。では、異なる点はどうでしょうか?

先に示したように、「従順」には、「必ず他者や事物に従うというニュアンス」があります。しかし、「柔順」は、「自分と他との関係性が入らず」個人としての性質を表すだけの言葉です。

「従順」と「柔順」の例文

「従順」と「柔順」の例文を挙げますので、自分と他との関係性があるかどうかに注目しながら比べてみてください。

(D子)

うちの娘は、私や先生方の言うこともよく聞くの。従順なのは良いんだけど、もう少し自分の主張ができるように手助けしたいわ。

(E子)

由美ちゃんて、いつでも穏やか。ものごとの捉え方も素直で、本当に柔順な女性なの。

「従順」の対義語とは?

強情

「強情」は、自分の非を素直に認めず、自説を言い張ったりするさまを表す言葉です。

(F子)

鈴木さんって、待ち合わせに大幅に遅れてきても、電車のダイヤが乱れたせいで自分のせいではない、と言い張るの。トラブルを見越して早めに出ることもできるのに、絶対謝らないなんて強情な人だわ。

頑強

「頑強」とは、自らの主張や主義に固執し、他者の言うことに容易に耳を傾けないさまを指しています。

(G課長)

社長は、いったん自らの方針を決めたとなると、そこに欠点が見えたとしても、他の役員の助言を頑強に聞き入れようとしないんだ。

「従順」まとめ

大規模な改革や画期的な発明・発見によって大成功を収めるカリスマ経営者や政治家、学者などにとっては、自分の中の従順さは時として邪魔となったでしょう。自分を抑えて他者や既存のルールに従っていては、才能を存分にの発揮できません

一方で、従順さがが成功を助けることもあります。他者から指摘やアドバイスに素直に耳を傾けることは、失敗を防いだり、より良い発展につながるヒントを得るよすがとなるからです。

過度な自己犠牲や、ネガティブな自己抑圧による「従順」は、良い結果をもたらさない場合が多いようです。しかし、「従順」さをまったく失ってしまえば、自分の考えに固執するあまり、しなくても良い苦労を背負うことにもなります。

自分他者も損なわない、ほどよき「従順」さを持ちたいものですね。


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