「傍から」とは?意味や使い方を例文を含めてご紹介

「傍から」は「はたから」と読み、横からという意味を表します。文字通りの横という意味よりも、傍観者的な「第三者の立場で」や「客観的に」という意味合いでよく使われる表現です。よく使われる「傍から見る」の形も含めて、意味や使い方を例文と一緒に紹介していきます。

目次

  1. 「傍から」とは
  2. 「傍から」を含む慣用表現
  3. 「傍から」の言い換え表現
  4. 「端から」と「側から」
  5. 「傍から」を「そばから」と読む用法

「傍から」とは

「傍から」の「傍」は、訓読みで「かたわら」、音読みで「ボウ」と読みます。本筋から外れる立場、何か中心となる物事の横やすぐそばという意味を表します。

「そば」や「はた」という読みも通用していますが、常用漢字表に記載されているのは「かたわら」と「ボウ」のみです。

【例文】

  • 会社員生活の傍ら、企業セミナーに通って、最近独立した。
  • 『路の石』は、主人公の吾一を道端の石に喩(たと)えている。

「傍から」の意味と使い方

「傍(はた)から」は、「傍」の通用読み「はた」を用いた表現です。意味は「傍」の意味から素直に読み取れます。横から関係のない人が(何かをする)という意味で、副詞的に機能します。

また、「傍」の持つ「本筋から外れる」という意味から、第三者が、無関係の人がといった意味で、非難がましさを伴って使われることが多いのが特徴です。

【例文】

  • 荷物が重すぎて支えきれず、危ないところを彼が傍から手を伸ばして押さえてくれた。
  • 傍から余計なことを言われると、集中力が削がれる。
  • 傍から偉そうに命令してくる幹部たちに、どこまで現場のことが分かっているのか。
  • 太郎は、傍からは楽しく通学していように見えていたが、実は学校が嫌いだった。

「傍から」を含む慣用表現

「傍から」は「見る」という動詞と組み合わせて使われる例が多く見られます。傍観者的に、横で見ている感じが伝わります。

傍から見る

「傍から見る」は、「傍から見れば」や「傍から見ると」の形でよく使われます。文字通り横で見ているとという意味ですが、「傍から」と同様に第三者から客観的に見るとというニュアンスを帯びていることが多くあります。

【例文】

  • 普段は冷静な彼が、傍から見ても分かるぐらいに焦っている。
  • どちらにも言い分はあるようだが、傍から見れば「どっちもどっち」という程度の話だ。
  • 傍から見ると十分に裕福なのに、彼らはもっと良い暮らしがしたいそうだ。

傍から見るほど~ない

「傍から見るほど~ない」もよく見かける表現です。第三者が持つ印象ほどには~でないという意味です。

【例文】

  • お気遣いなく。この作業は傍から見るほど複雑ではないんですよ。
  • 子供の宿題を見るのは、傍から見るほど楽ではなかった

「傍から」の言い換え表現

「傍(はた)から」の言い換えには、「傍」の意味に近い「横」や「脇」が使えます。無関係なのに余計なことをするというニュアンスを含むこともありますが、「傍から」よりは、文字通り「横から」「脇から」の意味で理解されるケースが多いでしょう。

物理的に横から何かをすることを指す場合には、「傍から」より使いやすい表現です。

【例文】

  • 困った時にはいつも、横からそっと手助けしてくれた先輩だった。
  • 横から覗いてみたら、上手くやっているようで安心した。
  • 君のプロジェクトだから、僕は脇からサポートするにとどめるよ。
  • 空気の読めないやつが横から口を挟んでくるので、話がまとまらなかった。
  • 「この子はね、…」と、いつも脇からうるさくいう保護者がいる。

「端から」と「側から」

「傍から」と同じ意味を持ちそうな文脈で「端(はた)から」や「側(はた)から」という表記を見かけることもあります。「端(はし、はた)」は、両方とも常用漢字表に掲載された読み方で、「側(そば)」を「はた」と読むのは通用読みです。

【例文】

  • 彼女に端からファッション批評をされて気分を害している人はたくさんいる。
  • 側からは真っ当に聞こえる説明だったが、内部の人によると数値が改竄(かいざん)されていたらしい。

「傍から」を「そばから」と読む用法

①近くから

「傍(そば)から」と「傍」を「そば」と読んで、「~の近くから」という意味で使う場合もあります。何の傍かを特定する「~の」が前につき、「~の傍から」となっていることが多いので、「傍(はた)から」との区別は難しくはありません。

【例文】

  • 私の傍から離れないでください。
  • その子供は不安がって、母親の傍から動こうとしなかった。

②~するとすぐに

「~するとすぐに」や「~したその途端」のような、二つの動作が続けざまに行われることを表す「(~する/した)そばから」にも、「傍(そば)から」が使われることがあります。

この意味でも「側」の字が使われることがありますが、「端」は似たような意味で「端(はし)から」と呼んで使います。

【例文】

  • 次々に焼いてはいるが、焼けた傍/側(そば)から売れてしまう。
  • 次々に焼いてはいるが、焼けた端(はし)から売れてしまう。


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