「助ける」とは
「助ける」の意味は、以下の通りですが、意味によって、「扶ける/援ける/佐ける/輔ける/佑ける」といった別の漢字表記もあります。しかし、一般的には、すべて「助ける」が使われています。
- 危険な状況に置かれた人や動物を、その状況から救う。(「援ける」とも書く)
- 経済的に困窮する人や組織を金品によって救済する。(「援ける/扶ける」とも書く)
- 足りない部分を補って、物事が順調に運ぶように手助けする。補佐する。(「佐ける/輔ける/佑ける」とも書く)
- 物事の作用や働きがいい方向になるようにする。促す。
- 不安定な状態を支える。
上記の意味で、援助、救援、扶助、補佐などを表す場合には、別表記の「たすける」を使うこともあります。また、現代では、まず使うことのない佑や輔にも「助ける」という意味があり、古典などに見られます。
「助ける」の使い方
1の意味「危険な状況に置かれた人や動物を救う」
1の意味では、災害や事故の被災者を救助する場合、けが人や病人を治療して救命する場合に使います。また、動物を救ったというニュースもよくありますね。
【例文】
- 洪水で屋根の上に避難した住民を助けるために自衛隊がヘリコプターで現地に急行した。
- レスキュー隊が、電柱の上に上って降りられなくなった子猫を助けたというニュースが報じられた。
経済的に困窮する人や組織を金品によって救済する
2の意味では、様々な事情で経済的に行き詰った人や組織に対して金銭や物品を援助して、立ち直れるように支援する場合などに使います。公的な援助や善意の寄付などがこれに当たります。
【例文】
- 経済的に困っている子供たちを助けるために、事業収益の一部で財団法人を設立し、奨学金を創設しました。
- 毎年、年末になると生活困窮者を助けるための社会鍋(しゃかいなべ)と呼ばれる街頭募金運動が行われる。
足りない部分を補って、物事が順調に運ぶように手助けする
3の意味では、人手や能力が足りない場合に手助けや補佐するような場合に使います。家計を助ける、勉強を助けるといった使い方もできます。
【例文】
- 兄は、大学を中退して家の商売を助けることにした。
- 急病人が続出した支店の業務を助けるプロジェクトチームのメンバーに選ばれた。
物事の作用や働きがいい方向になるようにする
4の意味では、本来持っている力や能力を補助・促進するような場合に「助ける」を使います。体調の悪い時や疲労回復、ストレス軽減のために薬やサプリメントを利用したり、植物の成長を促進するために栄養剤を使う時に「助ける」と言います。
【例文】
- スマホやパソコンを毎日使うので、疲れた目の回復を助けるサプリメントを使っています。
- この漢方薬には、消化吸収を助ける成分が含まれている。
不安定な状態を支える
5の意味では、介護や介助が必要な人を支える場合や不安定なものを支えるような場合に「助ける」を使います。
【例文】
- 骨折した足の骨が治ったので、理学療法士に助けられてリハビリを頑張った。
- 雪国では、雪の重みで枝が折れるのを防ぐため、枝を助ける雪吊りが行われる。
「助ける」の類語
「援助」
「援助(えんじょ)」は、困っている人や国などに経済的な支援をすることです。経済的な支援には、金銭や物品だけでなく、技術などの支援も含まれます。主に、「助ける」の2の意味の類語です。
【例文】
- ODA(政府開発援助)は、発展途上国に対する資金と技術の援助のことです。
- 祖父は、若い時の恩返しだと言って、苦学生を援助するために少ない年金の中から毎年寄付をしていた。
「支持」
「支持(しじ)」には、物を支えて倒れたり、落ちたりすることを防ぐことと、特定の考え方や意見などに賛成して(経済面も含めて)助けるという二つの意味があります。前者は、「助ける」の5の意味、後者は、2の意味の類語と言えます。
【例文】
- 地震で傾いた壁をつっかえ棒で支持しているがいつまでもつだろうか。
- 私は、Aさんの意見を支持します。
「手助け」
「手助け(てだすけ)」は、自分以外の人の仕事や用事を手伝うことです。人手が足りなくて困っている時、能力を超える仕事などを抱えている時に手助けしたり、されたりすることがありますね。主に3の意味の類語です。
【例文】