「考え方」の意味
「考え方」を辞書で引いてみると読んで字のごとく、「考える方法」を意味しています。しかし、これでは当たり前というか、漠然としすぎていますね。もう少し詳しく見ていきましょう。
「考え方」のニュアンス
実は、「考え方」は「考える方法」というよりは、「考える方向」に近い言葉です。「どうやって考えるか」よりも、「どういう方向で物事を見て、どういう方向に考えていくか」という意味があります。
具体的な問題に対して「こういう方向で考える」という意味で使うこともあれば、漠然と「何事に関してもこういう方向に考える傾向が強い」という意味で使うこともあります。
また「考え方」という言葉には、以下の二つの要素が含まれています。
- どの視点から物事を見ているか
- どんな筋道で考えを進めていくか
「この人の考え方はこうだ」と表現するときは、その人のモノの見方と、考えの進め方に着目しています。
「考え方」の使い方
- その考え方は斬新だなぁ
- 不安な時はこういう考え方をするといいよ
- あなたは私と芸術に対する考え方が似ている
- どうしても考え方が合わない
- あの人のこういう考え方がほんと嫌い
- あなたの感性や考え方が知りたい
- いろんな人の考え方に刺激を受けています
「考え方」を英語で言うと
「考え方」を英語で言うと"way of think"になります。直訳すれば「考える道、考える方法」となります。
1単語であらわしたい場合は"view"や"solution"などがありますが、"view”は「モノの見方、意見」、"solution"は「答え、解決」といった意味なので、あくまでも「考え方」と被る意味もある程度です。
「考え方」の類語
価値観
「価値観」は「何に価値があるか、何に価値を認めるか、を重視する考え方」という意味です。これは「考え方」の中でも「モノの見方」をより重視した言葉になります。
例文
- ほかの人の価値観が受け入れられない
- 価値観を押し付けてはいけない
思考回路
「思考回路」は「思考の道筋、パターン」という意味の言葉です。ただ、「考え方」に比べると、その人の「モノの見方、視点」はあまり重視されず、「考える道筋」に着目した言葉です。
また「思考回路がおかしくなった」のように、本人の意思に反して「考えの道筋」がおかしくなる、という使い方もします。「考え方」の場合は、「本人に意思に反しておかしくなる」という使い方はされません。
例文
- 慌てすぎて思考回路が止まった。
- ダメだ。思考回路が追い付かない。
見解
「見解」は「モノに対する考え方、評価、意見」という意味の言葉です。この言葉はモノの見方や考える筋道よりも、「考えて出た結論」を重視した言葉です。
例文
- あくまでも個人の見解です。
- 公式に見解を発表する。
思想
「思想」は「考え方」に近い言葉ですが、哲学、宗教、政治などにおける「考え方」に限定した使い方をする言葉です。
例文
- あいつは政治に関しては危険思想の持ち主だ。
- 芸術に関する思想の歴史を勉強する
- これは古代中国の思想が由来となっています。
「考え方」と類語を見比べると
このように類語と見比べてみると、「価値観」「思考回路」「見解」「思想」という言葉は、「考え方」のそれぞれの側面を表していることがわかります。
- 価値観:「考え方」の中でも「モノの見方」に注目した言葉
- 思考回路:「考え方」の中でも「考える筋道」に注目した言葉
- 見解:「考え方」の中でも「考えた結果」に注目した言葉
- 思想:「考え方」の中でも政治や宗教、哲学に限定した言葉
それぞれが「考え方」の側面を表すと同時に、「考え方」はこれらの言葉の意味をすべて含んだ言葉であると言えます。
なので、「価値観」や「思想」といった言葉との使い分けがわからなくなったら、「考え方」を使っておけば、まず間違いありません。
「考え方」まとめ
「考え方」には、その人の個性が色濃く表れます。どういう風に物事を見ているのか、どういう筋道で考えていくのか、考えた結果どんな答えを出すのか。
「考え方」という言葉について考えるときは、自分の考え方、自分の価値観、思考回路、思想などについて、客観的に見てみるのも面白いかもしれません。