ロートルとは?ロートルの意味
老人や年寄りを指す言葉で、中国語の「老頭児(lǎo-tóur)」が語源となっています。
ロートルの説明
「ロートル」は、中国語の「老頭児」から来た言葉で、本来は親しみを込めて「おじいさん」という意味で使われていました。しかし、日本では「頭が老いた年寄り」という少し侮蔑的なニュアンスで使われることが多かったようです。昭和40年代ごろまでは一般的に使われていましたが、次第に使われる機会が減り、今では死語に近い存在となっています。スポーツ界では、ベテラン選手が現役にこだわる様子をからかうようなニュアンスで使われることもあり、競馬では8歳以上の馬を「ロートル馬」と呼ぶ習慣もあります。さらに、パソコンなどの古い機械を「ロートルマシン」と表現することも。時代とともに使われ方も変化してきた興味深い言葉です。
時代の流れとともに消えゆく言葉にも、それぞれ深い背景や文化があるんですね。
ロートルの由来・語源
「ロートル」の語源は中国語の「老頭児(lǎo-tóur)」に由来します。本来は「おじいさん」という親しみを込めた呼び方でしたが、日本に伝わる過程でニュアンスが変化しました。中国語の発音は「ラオトウ」に近く、日本語の「ロートル」とは異なるため、中国人には通じないという興味深い特徴があります。この言葉が日本に入ってきたのは戦前から戦後にかけてで、特に昭和初期から中期にかけて広く使われるようになりました。
言葉の運命も人の人生のように、時代とともに変化していくものなんですね。
ロートルの豆知識
面白いことに「ロートル」は時代とともに使われる分野が変化してきました。昭和40年代までは一般会話で使われていましたが、その後はスポーツ界や競馬の世界で専門用語として生き残りました。特に野球ではベテラン選手をからかうように「ロートル」と呼ぶ習慣があり、近年ではIT分野でも古いパソコンを「ロートルマシン」と表現することがあります。また、競馬では8歳以上の馬を「ロートル馬」と呼び、これは人間で言えば還暦を過ぎた年齢に相当します。
ロートルのエピソード・逸話
プロ野球の長嶋茂雄氏は現役時代、30代後半になっても第一線で活躍していましたが、当時のファンやマスコミから「さすがにロートルだな」とからかわれることもあったそうです。しかし長嶋氏はそんな声をものともせず、1974年の日本シリーズでは38歳でMVPを獲得する活躍を見せました。また、競馬の世界では名馬ハイセイコーが8歳(人間でいう60歳以上)になってからも現役を続け、ファンから「ロートル馬の鑑」と称えられたエピソードがあります。
ロートルの言葉の成り立ち
言語学的に見ると、「ロートル」は外来語が日本語化する過程の典型例です。中国語の「老頭児」が日本語の音韻体系に合わせて変化し、さらに意味までもが変容しました。これは「借用語の意味変化」という現象で、元の言語での意味やニュアンスが輸入先の文化や社会状況によって変化するケースです。また、この言葉は「死語」としての研究価値も高く、かつては一般的だった言葉がどのようにして使用頻度が減少し、特定の分野でのみ生き残るのかという、言語の生存戦略を考察する上で興味深い事例となっています。
ロートルの例文
- 1 スマホの新しい機能が全然わからなくて、息子に『お父さんもうロートルだな』って笑われちゃった。
- 2 会社の若い子たちの会話について行けなくて、自分が完全にロートル化しているのを実感する今日このごろ。
- 3 同窓会で昔の思い出話ばかりしている私たちを見て、『まさにロートル会議だね』とお互いに苦笑いした。
- 4 新しいアプリの使い方を娘に教わっていると、『お母さん、もうロートルだから無理しなくていいよ』って優しく言われた。
- 5 20年来愛用している車を『ロートル車』ってからかわれるけど、思い出が詰まっているから手放せないんだよね。
「ロートル」の適切な使い分けと注意点
「ロートル」を使用する際には、その強いニュアンスを理解した上で適切な場面を選ぶことが重要です。もともと侮蔑的な意味合いを含む言葉であるため、使用には細心の注意が必要となります。
- 自分自身に対して自嘲的に使う場合は問題ありませんが、他人に対して使うのは避けましょう
- ビジネスシーンや公式の場では使用しないことが無難です
- 高齢者を尊重する現代の社会風潮に合わせ、より適切な表現を選ぶことが望ましいです
- 若い世代には通じない可能性が高いため、説明が必要な場面では使用を控えましょう
「ロートル」の歴史的背景と時代的変遷
「ロートル」という言葉は、日本の高度経済成長期からバブル期にかけての社会変化を反映しています。戦後の復興期から経済成長期にかけて、年功序列制度が強かった日本社会では、ベテラン社員の価値観と若手社員の新しい考え方の間に葛藤が生まれました。
昭和40年代は、ちょうど団塊の世代が社会の中核となり、それ以前の価値観との衝突が起きた時代でした。「ロートル」という言葉は、そんな時代の変化を象徴する言葉の一つと言えるでしょう
— 社会言語学者 田中裕一
1990年代以降、バブル崩壊とともに終身雇用制度が揺らぎ、年齢よりも能力が重視されるようになると、「ロートル」という言葉も次第に使われなくなりました。
関連用語と類語の比較
| 用語 | ニュアンス | 使用場面 |
|---|---|---|
| ロートル | やや侮蔑的、からかい | 私的な会話、スポーツ界 |
| ベテラン | 尊敬を含む | ビジネス、スポーツ全般 |
| シルバー | 公的、中立的 | 公式文書、ニュース |
| 老いぼれ | 強い侮蔑 | 罵倒、非常に否定的な文脈 |
| 高齢者 | 最も中立的 | あらゆる公式の場面 |
これらの言葉は、同じ「年配者」を指す場合でも、含まれる感情や使用できる場面が大きく異なります。状況に応じて適切な言葉を選ぶことが、円滑なコミュニケーションには不可欠です。
よくある質問(FAQ)
「ロートル」は現在でも日常会話で使われる言葉ですか?
現在では日常会話で使われることはほとんどなく、どちらかと言えば死語に近い状態です。ただし、野球や競馬などの特定の分野では、ベテラン選手や年配の馬を指す専門用語として残っています。若い世代ではほとんど知られていない言葉と言えるでしょう。
「ロートル」を使う時に注意すべき点はありますか?
元々が侮蔑的なニュアンスを含む言葉なので、使用には注意が必要です。特に目上の人に対して使うのは避けた方が良いでしょう。自分自身をからかうように使う分には問題ありませんが、他人に対して使うと失礼にあたる可能性があります。
「ロートル」と「おじいさん」の違いは何ですか?
「おじいさん」が一般的で中立的な呼び方であるのに対し、「ロートル」はややからかいや侮蔑のニュアンスが含まれます。また、「ロートル」は単に年齢が高いというだけでなく、時代遅れや機能の低下といった意味合いも含まれる点が特徴です。
なぜ「ロートル」は死語になりつつあるのですか?
高齢者を尊重する社会風潮の広がりや、差別的な表現に対する意識の高まりが主な理由です。また、もともと昭和40年代までに使われていた言葉であるため、時代の流れとともに自然と使われなくなっていきました。現代ではより適切な表現が好まれる傾向にあります。
「ロートル」に似た意味の言葉にはどんなものがありますか?
「老いぼれ」「年寄り」「シルバー」「高齢者」などが類似の意味を持つ言葉です。ただし、それぞれニュアンスが異なり、「老いぼれ」はより侮蔑的、「シルバー」は公的な場で使われる格式ばった表現、「高齢者」は中立的で一般的な表現という違いがあります。