「風」とは?意味や使い方を類語も含めてご紹介

「風」と聞いて多くの人が思い浮かべるのは気象の「風」のことかもしれません。しかし、和風・洋風、あるいは、世間の風という言葉もあります。また、「風」に関する類語も豊富にあります。この記事では、「風」の意味や使い方について、類語も含めてご紹介します。

目次

  1. 「風」の意味
  2. 「風」の使い方
  3. 「風」の字義
  4. 「風」の類語

「風」の意味

「風」には、以下のような意味があります。

  1. 気圧の差によって起こる空気の流れ。かぜ。
  2. ならわし。しきたり。流儀。
  3. 態度。雰囲気様子

1は、自然現象の風(かぜ)です。2は、社会生活上の風習や慣習、生活様式などのことを表します。また、3は、人の様子や態度を表すものです。

自然現象の一つである「風」は、一定の方向に吹くことから、特定の方向性や傾向がみられる2や3のように転じて使われるようになっています。

「風」の使い方

1の意味の「風」

1の意味の「風」は、追い風・向かい風などでは「かぜ」、風上・風下などでは「かざ」、台風・偏西風などでは「ふう」と読みます。

また、特殊な読み方の「風」には、東風(こち)、南風(はえ)、順風(じゅんぷう)、春風(しゅんぷう。はるかぜ)、疾風(はやて。しっぷう)などがあります。

さらに、「風」を部首にして風の状態を表す、嵐(あらし)、颪(おろし)、飃・飄(つむじかぜ)、颱(たいふう)、颯(はやて)などの漢字もあります。

【例文】

  • A選手が出した陸上100メートル走の世界記録は、追い風のため参考記録となってしまった。
  • 春のそよ風が頬をやさしくなでて、とても気持ちがいい。
  • 西日本一帯で吹く南寄りの風のことを南風(はえ)言うそうだ。
  • 疾風のような勢いで新幹線がホームを通過していった。
  • 台風が通り過ぎた空はとても高く、青い。

2の意味の「風」

2の意味で使うときは、都会風とかヨーロッパ風などのように「風(ふう)」と読みます。このような使い方は、名詞の後に「風」をつけて使うことが多い用法です。

【例文】

  • 新築した家の家具・調度品は北欧風で統一した。
  • この浮世絵風の油彩画は、モネの作品です。
  • 明治時代には、洋風のレンガ建築物がたくさん建てられている。
  • このようなやり方は、我が家の家風に合わないと、祖父が怒っている。

3の意味の「風」

人の態度や様子などにも「風(ふう・かぜ)」を使います。また、人に対する世の中の雰囲気などでは「風(かぜ)」を使うことがあります。相手が怒っている時には、「風向きが悪い(よくない)」というような表現も使います。

【例文】

  • 警察官のをした男が訪ねてきたが、詐欺だと思って通報した。
  • 彼女は普通の家庭の娘だが、淑女のを備えている。
  • いつも偉そうにしている先輩だったが、客が怒鳴り込んできたら臆病に吹かれて逃げ出してしまった。
  • 早期退職して、自分に向いた仕事を探したが、世間のは冷たかった。

その他の「風」

上記以外にも、「風」の使い方があります。古い用法で、「風(かざ)」と読んで、風花(かざはな)、風見(かざみ)、風車(かざぐるま)、風下(かざしも)などのような熟語を作る時、前につけて「風(かぜ)」の意味を表す用法です。

「風」の字義

」は、音読み「フウ。フ」、訓読み「かぜ。かざ」と読みます。「風」は、元々、「鳳(おおとり)」が使われていました。古代中国では、「鳳」が、かぜの神と信じられており、後に中の「鳥」が「虫」に置き換えられて「風」という字が使われるようになったと言われています。

「風」の類語

「気流」

「気流(きりゅう)」は、自然現象としての「風」の類語で、気温や湿度、地形などの要因によって発生する空気の流れのことです。「風」のように普段感じることは少ない現象ですが、飛行機に乗った時などは気流の変化を体験することができます。

【例文】

  • 気流で飛行機が大きく揺れて怖かった。
  • 渡り鳥は、ジェット気流に乗って効率的に長距離を飛翔する。

「嵐」

暴風や暴風雨のことを「嵐(あらし)」と呼びます。日本は台風が多く、この「嵐」を体験することが多いですね。暴力的な風や雨を比喩的に使って、大きな事件や騒動、感情の激しい動きなども「嵐」で表現することがあります。

【例文】

  • 嵐で海が荒れているのにサーフィンをするなんて無謀だ。
  • アイドルグループのライブに集まった数万人の歓声がのように周辺に響き渡った。

「因習」

「因習(いんしゅう)」は、昔からずっと伝わってきている習慣のことですが、特に悪い習慣という意味で使われています。「風」の2の意味の類語と言えます。

【例文】

  • 横溝正史の作品には、因習をテーマにしたものが多い。
  • いつまでも因習にとらわれていては、この町は発展しないと思う。

「風体」

「風体(ふうてい/ふうたい)」は、外見から見た人の身なりや様子のことです。身分や職業を見定めるようなニュアンスがあり、あまりいい意味で使われることはありません。「体」を省略したものが、3の意味の「風」です。

【例文】

  • 人相風体の良くない男が家の周りをうろついていた。
  • 娘が会社員らしい風体の男性と食事をしているところを見かけた。


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