「雰囲気」の読み方
「ふんいき」と読みます。迷う方も多いかと思いますが、「ふいんき」と発音する方もおられます。「ん」と「い」が逆になっています。この言葉の意味そのものがファジーですので、現在ではイメージの方が勝って、「雰囲気」よりも「フインキ」となって、会話に浸透して来ているようです。言葉も生き物ですから、やがて、一つになるかもしれません。
「雰囲気」の由来
まず、「雰囲気」の由来についてです。元を正すと、「地球を取り巻く気体を意味する科学用語」であり、環境下で満たされた「空間」や「状態」などを指しました。明治以降、英語の”atmosphere”の訳語として扱われるようになり、現在の日常会話にも登場する言葉に定着していったようです。
「雰囲気」の意味
「雰囲気」の「雰」という漢字は、霧や塵を指し、雪や雨の乱れ飛ぶ様も意味しています。「囲」は、かこむとか、めぐらすとか、とりまくといった意味です。「気」は、霞(カスミ)とか靄(モヤ)。空間にあって目に見えないもの。心の働き、意思を意味します。
これらを合わせ持つ「雰囲気」の意味は、
①地球を取り巻く大気。空気、光、音、匂いなど。つかみ処のない感覚ですが、それら総てです。
②人や場所、さらには、その辺りの気配。ある人が周囲に与える感覚や気分。
よく私達が会話で口にするのは、②の方だと思います。
「雰囲気」の使い方
この「雰囲気」という、広がりのある、形の定まらない言葉ですが、物事をバッサリ切らない言い回しが日本語表現にはあっているかもしれません。
雰囲気の例文
1.彼女はミステリアスな「雰囲気」を持った女性です。
2.彼の登場で、冷え切った会場の「雰囲気」が一変した。
3.家庭的な「雰囲気」のお店で、ゆっくり食事がしたいものです。
比較的新しい使い方として、
4.彼って、「雰囲気」イケメンだよね。(=見た目はイケメンではないけれど、彼の持ってる「雰囲気」で女の子にモテモテ)
5.私は、「雰囲気」美人って、よく言われます。(=決して美人ではないのだけれど、美人のオーラを持っていて輝いている)
主に褒め言葉として扱われているようです。
「雰囲気」の類義語
「氛囲気」
むずかしい漢字がトップにきていますが、きがまえ(部首)に「分」で、読み方も同じで”ふん”です。
「ムード」
英語で”mood”。
どちらも使用頻度が少なくなってきていますが、「雰囲気」とほぼ同じ意味で使われていました。但し、英語の”atmosphere”と”mood”は同じ意味ではありませんので、お気をつけください。
「雰囲気」のまとめ
いかがでしたか?「雰囲気」について、理解が深まったでしょうか。地球を取り巻く大気,環境。微粒子、光、気体全て。そんな括りの言葉ですが、現在は主に、人の持っている印象、感じ、を指し示すことの方が、多いようですね。
新しい表現としての「雰囲気イケメン」とか「雰囲気美人」なども良く使われいるようになっています。この言葉の使い方は、”~っぽい”というのに似ているかもしれません。”ギャルっぽい”・”大人っぽい”・”イケメンっぽい”。
言葉も、生物と同じに、結合したり淘汰されたりして、過去から現在に漕ぎつけて来ました。これから、「雰囲気」も漢字で未来に残っていけるか?また、他の表現と混ざりあって進化していくのか?そんなことを考えてみるのも、面白いかもしれませんね。