「有用性」とは?意味や使い方をご紹介

ビジネスシーンなどで「有用性」(ゆうようせい)という言葉を見聞きしたことがあるかもしれません。物の価値について論ずる際にしばしば用いられる言葉であり、類語として「実用性」や「必要性」があります。ここでは、「有用性」の意味や使い方を類語も含めてご紹介します。

目次

  1. 「有用性」とは?
  2. 「有用性」の使い方
  3. 「有用性」の類語

「有用性」とは?

「有用性」(ゆうようせい)とは、「何かが何かの役に立つこと、そのような性質や傾向」を意味する言葉です。

「有用性」とは字の通り、「用いることを有する(=用いられる)性質・傾向」である、と考えれば意味を覚えやすいかもしれません。

そして、何かが「有用である、有用性を持つ」ということは、大半の場合で「それが他より役立って優秀である」「それを使うだけの価値がある」ということと等価です。

「使える」だけでは「有用性」ではない

「有用性」は「役立つ」というニュアンスが中心ですので、ただ「使うことができる」という意味で使用しないようご注意ください。

例えば、「空飛ぶ車」の有用性を考えましょう。現代の技術でも製作自体は可能ですし、乗ってドライブする(使う)ことはできるでしょう。しかし、莫大な製作費、安全性の確保、短い航続距離、法的問題など問題は山積みです。

よって、空飛ぶ車は、「使う」ことはできても、現在流通している「地上車」に取って代わるほどの有用性が(多くの人にとって)ない、という認識が一般的です(技術検証や趣味の領域であれば有用性を見出す人もいるでしょうが…)。

「有用性」の使い方

「有用性」という言葉は、主に「ある/ない」「高い/低い」など二元的な観点から、人間(の能力)、道具・商品、システムなどが「役立つかどうか」を論ずるために用いられます。

基本的な考え方として、社会は常に有限なリソース(人間、資金、燃料など)の管理によって成り立っています。つまりこの社会に存在するものは、何らかのリソースを支払うに足る「有用性があるもの」であることが原則として求められます。

ただし、「何がどんな場合に役立つか」は条件次第ですから、有用性の話題は多くの場合は「想定」であり、絶対的なものではありません。この言葉を使うにあたっては、同種のものとの「性能・条件の比較」がしばしば文脈に持ち込まれます。

用例

  • 「カメラを搭載した携帯電話」は、その爆発的な普及によって有用性が証明された。
  • 都会は鉄道網が発達しているので、車の有用性は田舎ほど高くはない。
  • 新薬の有用性を確認するための追試の臨床試験が、来週から行われる。
  • 彼は原子力発電の有用性を訴え続けているが、このご時世ではなかなか市民の賛同が得られないようだ。
  • 他社から引き抜かれてきた彼は、さっそく大きな契約を取ってきてその有用性を示した。

「有用性」の類語

「実用性」

「実用性」とは、「実際に用いて役立つこと、そのような性質・傾向」という意味の言葉です。「有用性」ととてもよく意味が似ていますが、実際に」という部分に相違があります。

「実用性」は実際に使うことが前提であり、「想定」に論拠することも多い「有用性」に比べて、より目の前の現実に接地しているイメージです。

具体的な「物(道具など)」に当てはめられる言葉であり、人間には使いません。ただし、アイディアや機能・性能には使われることもあります。

【例文】

  • 写真や記念品などより、ネクタイや靴など実用性の高いプレゼントのほうが彼は喜ぶだろう。
  • メーカーは商品の多機能な有用性を謳っていたが、いざ使ってみると耐久性が低く、実用性には疑問符がついた。

「必要性」

「必要性」は、「必ず要すること、欠くことのできないこと、そのような性質・傾向」という意味の言葉です。こちらも「有用性」と同じような文脈で使われることがあります。

一般論として、「役に立つものが必要とされる」と考えれば、「必要性のあるもの」は「有用性のあるもの」と言えるでしょう。

ただしその逆、「有用性のあるもの」が「必要性のあるもの」とは限りません。「有用性」は「想定」に過ぎないことも多々あり、「(必要性を満たすに足る)他にもっと有用性が高いもの」が存在する可能性もあるからです。

【例文】

  • ネクタイをプレゼントされた彼だが、雨が降り始めた今は、傘のほうが必要性が高かった。
  • 災害に遭った村は、公的支援の必要性を訴えた。


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