「追求」とは
「追求」とは、目的のものを手に入れるため、あるいは目的などを実現するためにそれを追い求めることです。例えば、商売上の利益であったり、個人や社会の理想などに向かって、実現に努力して追い求めるようなことを「追求」すると言います。
「追」には、おいかける、逃がさないように捕まえる、追いつく、一方の「求」には、もとめる、さがしもとめる、欲しがるという意味があることから、上記のような「追求」の意味が成り立っています。
「追求」の使い方
人には願望が、社会には理想が、そして、組織には一定の目的があります。そのような願望や理想や目的を追い求めて、それを手に入れたり、実現しようとする行動などに「追求」を使います。
【例文】
「追及」と「追究」
「追求」の類語に同音異義の「追及」と「追究」があります。ここでは、「追求」と二つの類語の違いをご紹介します。ただし、使い分けがはっきりしない場合には、「追求」を使うのが一般的とされています。
「追及」とは
「追及(ついきゅう)」とは、物事の責任や原因などを徹底的に調べて追い詰めることです。「及」には、およぶ、おいつく、その場所や目的まで届くという意味があります。
「追及」は、その場所や目的に届くまで追いかける、追いつくという本来の意味から派生して、現在はもっぱら調べて追い詰めるという意味で使われています。追い詰めることも追い求めることを含んでいますから、「追及」は、「追求」の類語と言えます。
【例文】
- 政治疑惑の真相と関係者の責任を追及するため、国会に訴追委員会が設置された。
- 振り込め詐欺の受け子を逮捕した所轄の刑事たちが、背後関係や余罪を厳しく追及した。
- 後輩が嘘をついているのは明らかだったが、それ以上追及するのはやめた。
「追究」とは
「追究」は「追窮」とも書き、物事の実体が解明されていないものについて、究明しようと深く考えたり、調べることです。「究」と「窮」は、どちらも、つきつめる、きわめるという意味があり、未知の物事を突き詰め、その実体にたどり着こうとすることが「追究/追窮」です。
突き詰めたり、極めたりすることは、言い換えれば求めることですから、この点で「追究」は、「追求」の類語と言うことができます。
【例文】
「追求」の類語
「糾明/糺明」
「糾明/糺明(きゅうめい)」は、罪や不正などの悪事を問いただして追及し、事実を明らかにすることです。「糾」は、「糺」の代用漢字で、ただす、調べるという意味があります。
【例文】
- 一刻も早く、被疑者の罪状を糾明して、起訴するよう嘆願書がたくさん届いている。
- 今回のいじめの実態を糾明して、事実と原因を保護者会に報告することになった。
「問責」
「問責(もんせき)」は、責任を問いただすこと、問い詰めることです。「追及」とほぼ同じような意味の言葉ですが、堅苦しい言葉なので一般的にはあまり使われていません。
政治に詳しい人なら、問責決議(国や地方自治体の議会で、首長などに対し、その責任を問う旨を意思表示した議決)という言葉をご存じの人もあるでしょう。
【例文】