「利益」とは
「利益」には二つの読み方があります。一つは「りえき」、もう一つは「りやく」です。それぞれの読み方ごとにご紹介していきます。
「利益(りえき)」
「利益(りえき)」の意味
「利益(りえき)」には、以下の意味があります。
- もうけ。得(とく)。収入から費用を引いた残り。利潤:「利益を上げる」「利益が出る」など
- 役に立つこと。益(えき)になること:「公共の利益」など
1の意味は、いわゆる「儲かった(もうかった)」とか「得した」という時の「もうけ」や「得」のことで、主に経済面、金銭面に関する意味です。
一方、2の意味は、例えば「知識」や「制度」など、金銭のように直接的な損得ではありませんが、「何らかの効果(利益)がある」、または「効果が期待されること」を指しています。
「利益(りえき)」の使い方
【利益(りえき):1の意味】
- 彼は大学を卒業しても就職しなかったので、フリーターかと思っていたら、自分のブログにいろいろな商品の広告を掲載して利益を上げているアフィリエイターだった。
- A社は、世間の注目を集めるような斬新な企画を次々と出して、利益を上げている。
- 脱サラして起業したB氏の会社は、3年目でようやく利益が出るようになった。
- Cは、インサイダー情報で利益を得たとして逮捕された。
【利益(りえき):2の意味】
- 国家の利益を損なう恐れがある機密情報を漏洩した公務員が、漏えい罪で有罪判決を受けた。
- 労働組合は組合員全体の利益のために存在するのに、今の書記長はその立場を出世の道具にしている。
「利益(りやく)」
「利益(りやく)」の意味
「利益」を「りやく」と読むときは、仏教用語で「仏の教えに従うことで幸せや恵みが得られること。または、その恵み」を意味します。「ご利益(ごりやく)がある」という表現が一般になじみ深いでしょう。
寺院などを参拝する人々は、「商売繁盛」「家内安全」「病気快癒(かいゆ)」「学業成就(がくぎょうじょうじゅ)」などのご利益(ごりやく)を願います。一方、寺院などでは、ご利益があるというお札やお守りを扱い、祈祷(きとう)やお祓い(おはらい)をしています。
文化庁の統計によれば、日本人の宗教信者は人口の1.4倍存在するそうです。つまり、一人の日本人が複数の宗教を信仰しているということですね。
正月には神社に詣で、葬式ではお経を上げてもらい、キリスト教行事のクリスマスを祝うということをよく耳にしますが、統計はそれを裏付けていると言えるでしょう。
「利益(りやく)」の使い方
- 自営業の父は、商売繁盛のご利益を願って、毎年正月には京都の伏見稲荷大社に参拝する。
- 菅原道真(すがわらみちざね)ゆかりの北野天満宮(天神さん)は、学業成就にご利益があると言われている。
「利益」の類語
「利益(りえき)」の類語
【収益】
「収益」は、事業などによって「利益をあげること」、つまり「儲かること」です。経済的な意味において「利益」と同義の言葉です。
- 今後5年間のわが社の収益予想は、過去5年を大きく上回ると思われます。
- 非常事態宣言を受けて、利用者が少なくなった百貨店の収益悪化が懸念されている。
【報酬】
「報酬」は、「労働や他人のために力を尽くしたことに対する金銭や物」のことです。こちらも経済的な意味で「利益」の類語と言えます。
- サラリーマンが副業で得た報酬は、一定限度を超えると確定申告が必要だ。
- 君の仕事ぶりや成果を見ると、報酬に見合った仕事をしているとはとても思えないね。
【効果】
「効果」は、「なにかをした時のよい結果。効き目」などという意味があります。役に立つという点において「利益」の類語と言えるでしょう。
- 眠気覚ましにコーヒーが効くというが、私には効果がない。
- 消費拡大の効果を狙って、大幅な減税が実施された。
「利益(りやく)」の類語
「利益(りやく)」の類語には「天恵・天の恵み」があります。「天(の神)が人間に与える恵み」を意味し、「ごりやく」に通じます。
- 最近の統計で日本は森林の比率が70パーセントと報告されている。この天恵の自然を大切にしなくてはならない。
- 道に迷い猛暑の中を歩き続けていた時、目の前に現れた自動販売機は天の恵みだと、思わず空を見上げて感謝した。