「効果」とは?
「効果」の類語について知るためには、そもそもの「効果」を理解せねばなりません。まずは、「効果」の意味を解説しましょう。
「効果」は、大きく分けて二つの意味をもちます。
- 物事に、なんらかの働きかけをしたことによって現れる、その目的にそった結果やききめ。
- 映画、演劇、放送番組などで、それぞれの場面にふさわしい雰囲気やリアリティを人工的なな演出で作り出すこと。多くは、視聴覚に訴える音楽、照明、擬音、背景となる演出(風雨などの自然現象の演出も含む)による。
一般的に用いられるのは1の意味についてです。ここではおもに、1の意味の「効果」の使い方や類語について説明します。
「効果」の具体例
例えば、人間関係において、「この人にはどのように接したら、より良い交流ができるだろうか?」と考えて、言葉遣いや行動を選ぶことがありますね。これも、ひとつの「効果」を願っての方策です。
映画などの商業作品などにおいては、印象的な広告は多くの人に周知する「効果」があります。また、作品の中では、起こる出来事や、登場人物たちの生き様が引き立つような、音楽やCGなどのさまざまな「効果」が使われています。
この『コトバの意味辞典』においても、黄色いマーカーは、重要ポイントを目立たせるという「効果」のためのエフェクト(効果を引きだす用法)です。
「効果」の使い方
「効果」は、名詞として用いるほか、「相乗効果」「温室効果ガス」などさまざまな複合語として用いられます。
また、効果の程度を表す言い回しでよく使われるのは、「効果がある[ない]」「効果が大きい[小さい]」などです。
【文例】
- 見合い相手の優子さんはとても人見知りだと聞いていたので、対面後は冗談を連発して笑わせた。笑いの効果ですっかり打ち解け、無事に今年の秋に挙式の予定だ。
- 昨日のライブハウスのイベントは無名のアーティストだったので、斬新なデザインの大きなポスターを店頭に貼ったら、その効果は絶大で、当日客が普段の倍も訪れた。
- 映画『ロッキー』のクライマックスで流れるBGMは、実に効果的だ。こちらもテンションが上がって、いっしょに闘っている気持ちになってしまう。
「効果」の類語
効き目
「効き目(ききめ)」は、効目とも。「効き目」は、何かの作用によって現れる結果や効果、効能などを意味します。ほかの類語に比べて、平易な言葉です。
【文例】
- 頭痛がはじまると仕事の能率が落ちるので、効き目が速く出る頭痛薬を選んで使用している。
- あの子は今日も宿題をほったらかしている。昨日のお説教の効き目はなかったようだ。
利き目、利目も別表記として使われることがあります。なお、利き目や利目には、左右の目のうち、よく使う方の目という意味もあります。
効用
「効用(こうよう)」とは、使い道や用途と、何かの行為などにより現れるききめという二つの意味があります。「効果」の類語として用いるのは後者の意味で、文例は次のとおりです。
【文例】
- 若い頃は徹夜など平気だったが、この頃は濃いコーヒーの効用なくしては、寝落ちしてしまう。
- まだ機材は古いままで、効用が認められないのに維持費ばかりがかさむ。
効能
「効能」の、ある働きかけによって現れるききめという基本的な意味は「効果」と同じです。ニュアンスとしては、「効果」は、作用によって得られた望ましい「結果」に重点が置かれていますが、「効能」は、ある結果をもたらす「働き」に重点が置かれています。
例えば、糖尿病や貧血などの治療において、数値が大幅に改善されること「効果が出た」と言います。一方、「効能がある」は、大幅な改善や治癒には至らないけれども緩やかに好転することです。
【文例】
- 古くから、この温泉は傷に対する効能が高いと言われてきた。
- どうにか彼を思いとどまらせようと説得したが、まるで効能がない。