「講じる」意味
「講じる」は基本的には「講義する・問題解決の手段を考えて実施する」といった意味です。
ただし「対策を講じる」「策を講じる」など、よく使われているのは「問題解決の手段を考えて実施する」の意味なので、「講義する」という意味で使うのは決して間違いではないものの、相手には伝わりにくい恐れがあるでしょう。
「講じる」使い方
- 顧客の解約が進んでいるので、今すぐにでも対策を講じる必要がある。
- あれほど言ったのに、未だに何も講じていない。
- 今日の試合で長年温めてきた秘策を講じた結果、試合に勝利した。
「講じる」と「講ずる」
「講じる」は「こうじる」と読みます。実は「講じる」を辞書で調べると、”「講ずる」に同じ”のように扱われています。
「講じる」と「講ずる」は同義であり、どちらも間違いではないのです。そのため世の中には「講じる」と「講ずる」が混在していますが、公用文には「講ずる」の方がよく使われているようです。
「講じる」と似た言葉
「講義する」の類語
講義するという意味の「講じる」と似た言葉には、以下のようなものがあります。
- 演説
- 演述
- レクチャー
これらの言葉と「講じる」の共通点は「口頭で相手に何かを伝える」といった部分です。しかし「演説」は主に「自分の主義・主張」を、「演述」は「自分の意見・思想」を述べるなど、「講じる」とは多少意味が異なってきます。
また「レクチャー」は主に「講義する・口頭で詳しく説明する」といった意味を持ちます。しかし多くの人はこれを単純に「教える・教わる」といった意味で捉え、しかも「講じる」のように堅苦しい印象も持ちません。こういった部分が「レクチャー」と「講じる」の相違点です。
「手段を考えて実行する」の類語
手段を考えて実行するという意味の「講じる」の関連語には、以下のようなものがあります。
- 計する
- 策する
- 目論む
- 弄する
このうち「計する」「策する」「目論む」には、手段や計画を考えるという意味はあるものの、実行するという意味がありません。
対して「弄する」は「もてあそぶ、思うままに操る」という意味で、何かを企図する意味がありません。ただ「策」とセットで使われることの多い単語なので、「講じる」との相違点は覚えておきましょう。
- 策を講じる…計画や手段を考える
- 策を弄する…計画や手段を思うまま操る
「対策を講じる」と「策を講じる」の意味の違い
「対策を講じる」と「策を講じる」は「講じる」を使った代表的な言葉です。どちらも同じ意味、もしくは同じニュアンスで使う人も多い言葉ですが、この2つにはどのような違いがあるのでしょう。
まず「対策を講じる」は「問題を乗り切るために対応を考えて実行すること」を表します。一方「策を講じる」は「方法を考えること・企てる」といった意味です。
注目すべきは「対策を講じる」が問題解決の方法を考え実行にまで移すのに対し、「策を講じる」は問題解決の方法を計画することとある点です。「対策を講じる」と「策を講じる」は1字違いですが、「実行」と「計画」という大きな違いがあるのです。