「足元」と「足下」の違いとは?意味や使い分けをご紹介

「足もとをすくわれる」が間違いなのは皆さんよく御存じのことと思います。ところで、「あしもと」というと「足元」と「足下」のどちらを使いますか?今回は、普段意識しないで使うことの多い「足元」と「足下」の使い分けをご紹介します。

目次

  1. 「足元」の意味
  2. 「足下」の意味
  3. 「足元」と「足下」の使い分け
  4. その他の「あしもと」
  5. ことわざ・慣用句

「足元」の意味

「足元」の意味

「足元」という言葉の意味は足の周りや立場、拠り所です。「足下」と区別して「足元」という場合には、自分の支持基盤や後援者足のついているあたり、すぐ下だけではなくて少し離れた周りを指します。一歩踏み出したり戻ったりできる範囲を指すことが多いようです。バスケットボールでいうとトラベリングにならない範囲ですね。

「元」の字義

「元」には始まりや昔という意味もありますが、「足元」の場合には根本や土台、根拠という意味です。仏像や銅像などのオブジェには土台がついているものがありますね。まさにあの部分です。足から少し離れた、一歩二歩の距離まで指すなら「足元」です。

「足下」の意味

「足下」の意味

「足元」と区別して「足下」という場合には、自分の影響下にあるところ足の真下や足の裏という意味になります。足で覆っている地面など、足の下敷きになっていて見えない部分です。

「下」の字義

「下」と書いて「もと」と読むのは支配や影響の及ぶ部分か、物理的に下にある場合のどちらかです。なので、「足下」は自分が支配している範囲か足の真下ということになります。

「足元」と「足下」の使い分け

辞書などでは同じように使われている「足元」と「足下」ですが、使い分けがされていることもあります。

物理的な意味では、「足元」の方が「足下」よりも広い範囲を指します。「足下」が足の真下だけであるのに対し、「足元」は一歩先までカバーしています。

抽象的な意味である場合、トップダウンとボトムアップで区別できそうです。「足元」は土台や根拠など自分を助けてくれるもの。一方、「足下」は支配や影響の及ぶ領域なので、自分が指揮したり操作したりする対象となるでしょう。

その他の「あしもと」

「足許」

「足許」の場合は人や文脈によって意味が変わってきます。

まず、辞書的には「足下」と同じ意味です。というのも、「許」は「親許」や「友人の許」、「先生の許で学ぶ」というように影響や支配の及ぶ範囲を指す言葉だからです。この点では「足下」と意味が被っているわけです。

しかし、「手許」の場合には手の届く範囲の意味で使われます。手で影響を及ぼせるという点では正しい使い方です。なので、同じように考えると、「足許」は足の届く範囲ということになり、「足元」と同じとする説もあります。

また、立場や勢力などの抽象的な意味の時に「足許」を使うという意見や「足許」は「足元」よりも遠くまでを指すという説もあります。

「足もと」

「足もと」はこれまでに挙げたどの意味でも使えます。いずれかの意味に限定したくない場合などに好まれます。また、「下」や「許」は常用漢字としては「もと」と読まない漢字です。そこにこだわる場合にも「足もと」と書くことがあるようです。

ことわざ・慣用句

足をすくわれる

よく間違われる言葉なのですが、「もとをすくわれる」とは言いません。正しくは「足をすくわれる」です。「すくう」は「はらう」と同じ意味です。柔道の小内刈りや足払いなどと同じような動作です。すきをついて失脚させられることを指します。

足もとを見る

「足もとを見る」の場合には「もと」が入ります。元々は駕籠(かご)かきが足もとのふらつく旅人をみて料金を値上げして吹っかけたことに由来するそうです。「足元」と「足下」どちらも使われます。

足もとから鳥が立つ

「足もとから鳥が立つ」とは身近なところで予想外の出来事や意外な出来事が起きることを表す慣用句です。また、ドタバタしてあわただしい様子を表すこともあります。「足元」と「足下」のどちらも使われます。


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