「疑惑」とは?意味や使い方をご紹介

「疑惑」とは、出来事や情報について、真実であるかどうか、不正があるか否か、などと疑いをもつことを意味する言葉です。その対象は、事物、人物、情報など実に多岐にわたります。今回は「疑惑」の意味や使い方を、類語も含めてご紹介します。

目次

  1. 「疑惑」とは?
  2. 「疑惑」の使い方
  3. 「疑惑」の類語

「疑惑」とは?

「疑惑」とは、ある出来事や人物、情報などを対象として、それが真実であるかどうか、不正があるかどうか、などと疑うこと、また疑いそのものを指す言葉です。

 

「疑惑」の字義

「疑惑」についての理解を深めるために、1つずつの漢字の意味を考えましょう。「疑」の音読みは「ぎ」、訓読みは「うたが(う)」「うたぐ(る)」です。

この漢字は、「ぐずぐずとためらうこと」「疑うこと、疑わしく感じること」、という二つの意味をもちます。「疑惑」に用いられている「疑」の意味は、後者です。

「惑」という漢字の、音読みは「わく」、訓読みは「まど(う)」です。「惑う」、もしくは「惑わす」、という意味をもちます。

したがって、この二つの漢字が重なる「疑惑」は、「(出来事、情報の存在や真偽について)疑い惑う」という意味になります。

「疑惑」の使い方

「疑惑」は名詞ですから、そのまま名詞のかたちで用いますが、動詞的な意味をもたせる場合には、定型的に付加する言い回しがあります。それらの例を挙げてみましょう。
 

  • 疑惑をもつ(もたれる)
  • 疑惑を向ける(向けられる)
  • 疑惑を受ける
  • 疑惑を招く
  • 疑惑を晴らす(疑惑が晴れる)

(A男)

僕は、鈴木課長に対する不満を山本君にしか話していない。鈴木課長に伝わっているとなれば、告げ口をしたのは山本君だという疑惑をもつしかないよ。

(B男)

田中先輩は、飲み会で酔っ払い、まわりに鈴木課長への愚痴をこぼしていたんですよ。なのに、僕が課長に告げたと疑惑を向けられてしまった。

(C子)

ようやく仕上げた卒業論文の一部が、ある本からの盗用だという疑惑を受けているの。私は潔白よ。

(D子)

商品企画部の中村さんは、ライバルメーカーの商品企画部の人たちと仲がいいの。立場的に、情報流出の疑惑を招くような交友は慎むべきよね。

(E男)

バイトしているコンビニで、僕が深夜勤務の時に限って高額商品が盗まれる。犯行を疑われたけど、警察に隠しカメラを分析してもらい、疑惑を晴らしたよ。

「疑惑」の類語

「疑義(ぎぎ)」

「疑義」とは、意味や内容が明瞭でないこと、疑問をもたれるような事柄、を意味する言葉です。たとえば、なにかの証明をする際に、明確な根拠となるものを示せない場合、疑義あり、と見なされます。
 

  • 有名私立高校の入試担当のA教諭は、ある官僚の息子の受験に際して、官僚から自身の口座に振り込まれた500万円についての説明が明確にできず、口利きの疑義ありとして捜査されている。

「疑念(ぎねん)」

「疑念」とは、疑いの気持ちを指す言葉です。疑いそのものではなく、「疑う心」という内面を意味していることがポイントです。
 

  • 反原発の活動をするためにNPOを立ち上げる計画を進めているが、A氏が会議に加わった時にのみ情報が外に洩れている。メンバーのA氏への疑念は強まるばかりだ。

「疑心(ぎしん)」

「疑心」とは、疑いの心を指す言葉です。「疑心」単独ではあまり見聞きしないかもしれませんが、「疑心暗鬼」は、会話にも頻繁に登場しますね。

「疑心暗鬼」は、「疑心、暗鬼を生ず」という古代中国の思想書『列子』中の言葉を由来とし、それを短縮したものです。

疑いの心が、そこにいるはずのない鬼を暗闇にいるように思わせてしまう。すなわち、疑いはじめると、その心がなんでもない物も疑わしく思わせる、という例えです。
 

  • 役員たちは二つの派閥に分かれているが、全員が全員に対し、敵対側に寝返らないかという疑心を抱いている。
  • 雑貨屋の店主だった小林氏は、あまりの万引きの多さに、客に対して疑心暗鬼になりすぎ、ついに店を閉じてしまった。


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