「広める」とは?意味や使い方を類語も含めてご紹介

「広める」は、誰にとってもごく自然に使ったり、聞いたりする言葉の一つかもしれません。とはいえ、「広める」には意味が2つあります。この機会にその微妙な差や対応する類語も確認しておきましょう。今回は「広める」の意味と使い方を類語も含めてご紹介します。

目次

  1. 「広める」とは?
  2. 「広める」の使い方
  3. 「広める」の類語

「広める」とは?

「広(弘)める」(ひろ-める)は、大きくわけて2つの意味を持つ動詞です。①範囲を広くする。広げる。②広く行われるようにする。広い範囲に知られるようにする。普及させる。この動詞においては、漢字の「弘」はほとんど使われず、「広める」が一般的です。

ひと昔前までは、なにかを「広める」主体はマスメディアでした。ビジネスにおいては商品などを、社会生活においてはニュースなどを、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌がコマーシャルや番組を通じて「広める」役割を担っていました。

時代は変わり、いまやインターネットが情報を広める大きな役割を担います。パソコンを通じて、ネットやSNSなどを媒体に、大袈裟ではなく一瞬にして情報は世界の隅々へと広まります。

「広める」の使い方

上記の意味①と意味②の違いは曖昧で分かりづらく感じるかもしれませんが、対象とするものが広まっていくことを表しているのは同じです。

より正確に理解し、使い分けることができるように、項目ごとに分けて、それぞれの使い方を解説していきます。

「広める」意味①の使い方

意味①の「広める」は、範囲を広くすること。分かりやすく説明するために、「勢力を広める」を例に挙げてみます。ある地域に限られていた勢力が、二倍、十倍と広がってゆくことをイメージすると、この「広める」のニュアンスが理解しやすいことでしょう。

「広める」対象は、基本的に「範囲」で、そのレベルを増していくことが、意味①の「広める」です。したがって、対象とするものは、区切って分けられるようなものではありません。例としては、知識、見分、名声、視野、領域などが挙げられます。

使い方の例は「視野を広めるために、私は~した」「知識を広めるには、それなりの努力が必要だ」などです。この例のように「広める」の主語がないケースも多いのですが、「私は、視野を広めるために~」「あなたが知識を広めるためには~」のように主語を補うことができます。

「広める」意味①の文例

  • 田中氏は、自分の名声を広めるためなら、どんなことでもする人だ。
  • 外国に長期間暮らすことは、見分を広めるには最適な方法のひとつだ。
  • アメリカのアポロ11号の月面着陸は、宇宙開発の領域を広めるエポックメイキングとなった。

「広める」意味②の使い方

意味②の「広める」は、ある対象を数多くの受け取り手に伝えるという意味の「広める」です。上記のイラストのように、ひとつの情報やメールが、数多くの相手に分散して広まります。意味①のように、対象それ自体の範囲が広まるのと異なる点に留意しましょう。

混同しやすい例ですが、意味①における「知識」は、個人の知識を自らのなかで広めます。意味②における「知識」は、個人の知識をたくさんの人にシェアして広めます。

なかには、①②の区別がつかず、合体しているケースもあります。例として、「キリスト教を広める」を考えてみましょう。ひとつの宗教がその領域を広めるという意味では、①ですが、たくさんの人に伝道されて広まるという観点からは②となります。

「広める」意味②の文例

  • 私のプライバシーをクラス中に広める張本人は鈴木さんだとようやくわかった。
  • この素晴らしい映画を世界に広めるために、積極的なPR活動を行おう。
  • この小説を様々な差別に苦しむ人々に広めることは、とても意義ある啓蒙活動にもなる筈だ。

「広める」の類語

「拡大する」

拡大する(かくだい-する)広げて大きくすること、広がって大きくなることを意味する言葉です。意味①の「広める」の類語足りえます。

【文例】
アレクサンダー大王の勢力は破竹の勢いで拡大していった。

「伸展する」

伸展する(しんてん-する)伸ばし広げること、伸び広がること。勢力、事業、規模などの拡大などに使われる言葉であり、意味①の「広める」の類語となります。

【文例】
父が一代で起こした事業は目覚ましい伸展を遂げた。

「周知する」

周知する(しゅうち-する)世間一般に広く知らせること、または知れ渡っていること。意味②の「広める」の類語です。

【文例】
この病気の予防法を、一刻も早く国民に周知すべきだ。

「宣伝する」

宣伝する(せんでん-する)主義や商品などに関することを広く人々に説明し、アピールすること。意味②の「広める」の類語です。

【文例】
出版社と書店員たちが活発に宣伝した結果、この小説はベストセラーとなった。


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