「エポックメイキング」の意味
「エポックメイキング」(英語:epoch-making、エポックメーキングとも)とは、「新たに時代を開き、作ること、およびそのような物事」を意味する言葉です。
ここで言う「時代」は、単純に「室町時代」のような時間的区切りというよりも、「青春時代」であるとか「大学全入時代」のように、何らかの特徴的なイデオロギー・社会的風潮・物事などがひとまとめに区切られる「歴史的区切り」の意味合いです。
日本語でも「歴史を変えた出来事」や「映画界に新しい歴史を切り開いた作品」といった言い回しがありますが、まさにそれが「エポックメイキング」であると言えるでしょう。
「エポック」とは?
「時代」を意味する英単語の中には、「period」「age」「era」「epoch」などいろいろありますが、その中で「epoch」は、「重大な事件などによる新たな時代の幕開けと、それによる特定の歴史」を表す点に特徴があります。
例えば「明治時代」は「Meiji era」と言いますが、その「era」(時代)の初期および成立要因上には、西洋文化の流入による文明開化という「epoch」があったと言って良いかもしれません。(捉え方は人にもよります)
ちなみに、「era」よりもさらに長いスパンで「何らかの特徴をもった時代」を指すのが「age」、「period」は時間の長短に関係ない客観的な「期間」を指します。
「エポックメイキング」の使い方
「エポックメイキング」は、基本的には、新しい時代(文化、習俗なども含む)を作ったきっかけとなる出来事、創作物などを指して使います。「それがなければその時代が訪れなかったもの」と言い換えてもよいでしょう。
「万物は流転する」の名言通り、物事は決してひとつの状態にとどまらず、人類の歴史には何度か「転換点」(ターニングポイント)が訪れました。その転換点にはいつも「エポックメイキングな何か」があったと分析することもできますね。
当然、過去の歴史だけではなく、現在から未来へ向かう視点でも、「新しい時代を作るだろう」と言える斬新な手法や夢の発明品などは「エポックメイキング」と呼ぶことが可能です。
悪いニュアンスでは使わない
注意点として、「エポックメイキング」は「(文化などの)発展」に注目した前向きな言葉であるため、悪いニュアンスでは使うことはできません。
例えば、戦争や大規模災害などがきっかけとなって人間社会に何らかの新しいイデオロギーがもたらされ、新たな価値観による時代が始まったとしても、それを「エポックメイキング」とは言えませんのでご注意ください。
例文
- 「ソーシャルゲーム」というビジネスモデルは、スマートフォンの普及も手伝って、ゲーム界にエポックメイキングな革新をもたらしたと分析されている。
- 自動車は、人類の生活スタイルから社会の在り方まで変えたエポックメイキングな発明品と呼べるだろう。
- カール・マルクスの『資本論』は、「労働」という考え方を一変させたエポックメイキングな著書だ。
- あのキャラクターは、日本のサブカルチャーに「萌え」というエポックメイキングな概念をもたらしたと考える人がいる。
「エポックメイキング」の類語
「エポックメイキング」は、「画期的」や「革新的」などの言葉と置き換えて使っても良いでしょう。いずれも、何らかの新しい出来事によって、ある程度継続的な「新時代」が作られるというニュアンスがあります。
あるいは、「エポックメイキング」な出来事は、例外なく「その時代における普通とは異なっている」と捉えれば、「特異」「奇抜」「型破り」「エキセントリック」などと表現するのも類語としては適当でしょう。
いずれの場合でも、いつも「良い意味」で使う点だけお忘れなきよう、ご留意ください。