「エキセントリック」の意味
「エキセントリック」とは、「人の性格などが普通と著しく変わっているさま」「突飛なさま」「風変り」「奇矯」(ききょう)などの意味です。
英単語の「eccentric」に由来するカタカナ語であり、英語の場合でも日本語と概ね同じ意味です。ただし専門用語として、「偏心」(へんしん:中心から偏ること)の意味もありますので念のためご注意ください。
英単語「eccentric」を分解
英単語「eccentric」は、以下の3部分に分解できます。
- 「ec-」…「ex」と同じ意で、「外れる/out」を意味する接頭辞
- 「cetre-」…「center」と同じ語根で、「中心」の意味
- 「-ic」…「~の性質」「~的」という意味の接尾辞
以上、「外れる」「中心」「~性質」ですから、「中心から外れた性質」が「eccentric」であると解釈できますね。
「エキセントリック」の使い方
「エキセントリック」は、常識からは考えられないような突飛な何か、既存のカテゴリーには収まりきらないような対象物(人、人の性格、態度、考え、物の外観の様子など)を指して使います。
何をもって「エキセントリック」というのか、明確な定義は困難です。他の言葉では形容できないほどの「変わったもの」「普通とは違うもの」「他の何ものでもないもの」を指すと考えてよいでしょう。
その性質上、「エキセントリック」なものが同時にたくさん存在することはなく、少なくともこの言葉を扱う人にとっては「唯一無二の何か」を形容すると捉えましょう。
良い意味?悪い意味?
「変わっている」という表現が良い意味でも悪い意味でも使われるのと同様に、「エキセントリック」もまた、何かを評価する言葉としては曖昧さを含んでいます。
「浮世離れしすぎている」「あまりに馬鹿げている」という皮肉をこめて「エキセントリック」と使うこともできますし、「今まで誰も実践しなかった斬新さ、独創性」を「エキセントリック」と呼ぶこともできるわけです。
「人と違うこと」や「独創性」が歓迎される創作・表現の世界では「エキセントリック」は誉め言葉として使われることが多いようです。その一方、協調が重んじられる場面では、「エキセントリック」を軽々しく好意的評価として使うことは避けるべきかもしれません。
例文
- 彼女は、「天才」などという形容では生ぬるいエキセントリックな思考回路を持っていて、誰も彼女を言い負かすことができなかった。
- あの映画監督は、今まで誰も見たことのないエキセントリックな映像演出でカルト的な人気を集めた。
- 新人女優のエキセントリックな演技は、誰にも真似ができない。
- 彼は全身ラバー素材というエキセントリックな格好で登校してきたが、周りは「目立ちたいだけだ」と冷ややかな反応だった。
「エキセントリック」の類語
「ユニーク」
「ユニーク」(unique)とは、「ほかに類のないさま」「独特」「独自」などを意味するフランス語由来の言葉です。
「ほかに類がなく、風変り」という点で「エキセントリック」とよく似ていますね。上に示した例文でも、概ね「ユニーク」で置き換えが可能です。
「ユニーク」はエキセントリックほどの「突飛さ」はなく、近年では「ほかに類のない独自の個性」は歓迎される風潮があります。よって、「良い意味でエキセントリック」と言いたい場合は「ユニーク」と言い換えても良いでしょう。
【例文】:彼のユニークな性格は、皆から愛されていた。
「型破り」
「型破り」とは、文字通り「定型の、月並みな型を破っていること」、および「風変りなこと」という意味です。
それまでの常識に囚われない発想などについて当てはめられることが多く、良い意味で使われることが多い言葉です。
【例文】:この不況では、多少型破りな手段を用いなければ会社を存続させられない。