フォトジェニックの意味
「フォトジェニック」とは、英語のフォトジェニックphotogenicに由来する言葉です。ただし日本語でいう「フォトジェニック」は、英語がもつ意味のなかで写真に関することだけを指しています。
日本語での「フォトジェニック」の意味は
- 写真うつりの良いこと。写真うつりの良いさま。
- 写真向きの。写真向きであるさま。
なお英語のphotogenicは、photo(写真)+-genic(~に適した、~による製作に適する)から成り立つ言葉です。
日本語と英語の意味合い
「フォトジェニック」という言葉は、日本語と英語では使い方に多少の違いがあることに留意しましょう。両者は対象としているものが異なります。
日本語と英語のフォトジェニックの対象としているものを比べると
- 日本…人、景色、飲食物を主として対象はさまざま。
- 英語…人のみ。整った顔立ち、スタイルの良さなど。
多くの映画スターやファッションモデルは写真写りがよい。
フォトジェニックの例文
対象をかえてフォトジェニックを使った例文を挙げてみます。
- 先程すれ違った女性は、まさにフォトジェニックな横顔でした。(人物)
- 話題の有名ケーキ店に行ったら、ショーケースにフォトジェニックなケーキばかり並び、選ぶのにとても迷いました。(飲食物)
- 旅行でたまたま訪れた所がとても風光明媚で感激していたら、あとでフォトジェニックスポットとして有名な場所だったのが分りました。(風景)
インスタ映えとインスタジェニック(フォトジェニック関連語)
フォトジェニックが求められるようになった背景には、SNSでの画像の投稿が盛んになったことがあります。特に、写真投稿がメインのInstagram(インスタグラム。以下インスタ)は、一般人だけではなく、企業も商品などのアピール手段として使っています。
インスタに映えそうな写真を、「インスタ映え」といいます。インスタに投稿した写真はもちろんのこと、インスタ映えをねらって、被写体をさがしたり写真の撮り方を工夫しているユーザーもいます。インスタ映えも、写真の見映えの良いことを意味するので、フォトジェニックと、ほぼ同じようなニュアンスで使われていると考えていいでしょう。
またインスタ映えする写真は比較的おしゃれな画像が多く、ひとりでファッション誌のようなページを作り上げているユーザーもみられます。被写体で人気なのは風景や飲食物などです。
さらにInsta(インスタ)+-genic(~適した)を語源とする「インスタジェニックInstagenic」という言葉も生まれました。インスタ映えとインスタジェニックは、ほぼ同義と考えていいでしょう。
ツイッター映え(フォトジェニック関連語)
並べるとますます一緒やわ
— たっぷう @ かもねぎ (@tappuu319) November 19, 2018
左から、サン=テグジュペリ、カルロス・ゴーン、Mr.ビーン(ローワン・アトキンソン) pic.twitter.com/oiiRVrFYxM
インスタ同様、twitter(ツイッター)も人気のあるSNSの一つです。ツイッターに投稿した写真のなかに、「ツイッター映え」と呼ばれるものがあります。
インスタ映えが美しい写真を指すのに対し、「ツイッター映え」は、面白そうな写真、驚くような写真、笑えそうな写真のことを表し、インパクトが強く思わずリアクションをしたくなるような写真であることが特徴です。
まとめ
撮った写真をSNSで共有することで、「いいね」や「コメント」、その反応数の多さを楽しんでいる人もいます。カフェや観光地など、フォトジェニック巡りをしている人も見うけられます。
フォトジェニックは、いわゆる写真映えです。しかし人に自慢できる写真を撮ることに気を取られ、被写体よりも写真ばかりを重視してしまうのはもったいないことです。思わず撮影したくなるような素敵なものは、写真ばかりでなく、心の中にも残したいものですね。