「独白」とは?意味や使い方をご紹介

「独白(どくはく)」という演劇用語の意味をご存じでしょうか。英語では「モノローグ」と言います。どちらも演劇ファンにはお馴染みでしょうが、一般的にはあまり馴染みのない言葉かもしれませんね。この記事では「独白」の意味や使い方を類語などとともにご紹介します。

目次

  1. 「独白」の意味とは
  2. 「独白」の使い方
  3. 「独白」と混同しやすい「傍白」
  4. 「独白」の反対の意味に近い言葉「対話(ダイアローグ)」
  5. 「独白」の類語

「独白」の意味とは

「独白(どくはく)=モノローグ(monologue)」とは、演劇で俳優が演じる登場人物が、観客に心情などを伝えるために、一人舞台上でセリフを言うことです。そのような様子から転じて、ひとりごとひとりごとを言うことも「独白」と言います。

また、セリフだけでなく、観客に対するナレーションとして使われることもあります。なお、
「独白」の意味から、文芸作品の中には、「独白」に「せりふ」や「ひとりごと」とフリガナをつけているものもあります。

「独白」の有名なものとしては、シェイクスピアの四大悲劇の一つ『ハムレット』の中で、「生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ(To be、or not to be.that is the question)---以下省略---」と語る王子ハムレットの「独白」が挙げられるでしょう。

「独白」の使い方

「独白」は、演劇上の手法の一つですが、日常生活において、ひとりごとを言ったりするような場合にも使うことができます。

【例文】

  • 主役に抜擢された若手女優が遅くまで稽古場で独白の場面を繰り返し練習していた。
  • 妻はキッチンで好きな演劇の独白場面のセリフをつぶやきながら料理をする癖があるので、結婚当初しばらくは慣れなかった。
  • 演壇で激しい身振りをしながら聴衆に訴えかける様子は、演劇の独白とよく似ている。

「独白」と混同しやすい「傍白」

「独白」と混同しやすい演劇用語に「傍白(ぼうはく)」があります。「傍白」も登場人物が一人で語るのですが、舞台上にはセリフを言う人物一人だけがいる「独白」とは異なり、他の人物も舞台上にいる時に語ります。

「傍白」は、舞台上の他の人物には聞こえておらず、観客だけに聞かせるという約束事になっています。これにより「傍白」の語り手は、舞台上の他の人物に知られたくない考えなどを観客と共有し、観客は劇の進行を客観的に見ることができるという効果があるとされています。

「独白」も「傍白」も演劇の台本などには、(独白)とか(傍白)といった括弧書きで指示が記載されています。

「独白」の反対の意味に近い言葉「対話(ダイアローグ)」

「対話(たいわ)=ダイアローグ(dialogue)」は、二人以上の登場人物の間で語られる会話などのことで、これも演劇用語です。ほかに、自分の内面や物事と向き合って意識や精神面での交流や交感をするという意味も持っています。

「対話」というと堅苦しく、耳慣れないようにも聞こえるかもしれませんが、「親子の対話」といった表現はよく使われていますし、「国際間の対話」といったこともニュースなどで見聞きすることは多いのではないでしょうか。

また、人材育成という観点で「対話」は、会話などによる情報交換にとどまらず、話し手と聞き手の相互理解を深めて、共感・意識や行動の変化を引き出し合う創造的なコミュニケーションの手法のことを指します。

【例文】

  • 以前「親子の断絶」とか「対話の欠如」といったことがよく言われたけど、最近あまり聞かないね。
  • 座禅道場で自分自身と対話する修行をしてみようと思う。

「独白」の類語

演劇用語としての「独白」は、「モノローグ」と英語で言い換えられますが、専門用語なので一般的な類語はありません。一方、ひとりごとという意味での類語としては、「独言(どくげん)」「独語(どくご)」「独話(どくわ)」「独口/一人口(ひとりぐち)」などがあります。

これらの類語は、いずれもひとりごと、ひとりごとを言うという意味ですが、文芸作品などにはみられるものの、普通の会話や文章などではほとんど使うことがありません。「独口/一人口」には、ひとりごと以外に一人で生計を立てるという意味もあります。

また、「独話」には、ひとりごと以外に、講演や演説(演壇上に他の人もいる場合もあります)のように大勢の人の前で一人で話すという意味があり、この意味では、演劇用語の「独白」や「傍白」に近いと言うこともできます。


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