「共有」とは?意味や使い方をご紹介

誰しも、他の誰かと何らかの物を「共有」した体験があるのではないでしょうか。情報技術が発達した近頃では、具体的な「物」ではなく「情報」を分かち合うという意味でも「共有」という言葉が使われています。ここでは、「共有」の意味や使い方を法律用語も含めてご紹介します。

目次

  1. 「共有」の意味
  2. 「共有」の使い方
  3. 法律用語としての「共有」
  4. 「共有」の対義語・関連語

「共有」の意味

「共有」(きょうゆう)とは、「二人以上の人が一つの物を共同で所有すること」という意味の言葉です。

辞書的な意味は上記の通りですが、情報技術が発達した現代では、物質的なものに限らず、「何らかの情報を自分以外の人に公開すること」という意味で「共有」という言葉が使われるケースも増えています。

情報技術における「共有」の意味

インターネットを用いたオンライン上のコミュニティ、特にTwitterやインスタグラムといったSNSサービスでは、元来とは少し違った意味で「共有」(「シェア、share」とも呼ばれます)という言葉が使われます。

オンライン上のテキスト、画像等のコンテンツは、「情報」と呼ばれるデータの集合体として扱われます。「情報」は「物」とは違って複製がきわめて容易であり、複数人で同じ情報を分かち合うことに対する敷居が現実世界よりはるかに低いという特性があります。

この特性を利用し、各種SNSではさまざまな情報を他人に公開し、分かち合って楽しむ文化が形成されています。現代では、この「オンライン上で誰かと情報を分かち合う試み、サービス、機能」のことも、「共有」と呼びます。

「共有」の使い方

「共有」という言葉は、「(現実的な)物」、空間・時間・体験・記憶といった「概念」、あるいは「(デジタルな)情報」など、有形・無形を区別することなくさまざまな対象物に当てはめて使うことができます。

ただし、対象物によって「共有」という言葉の運用が少し変わってくる場合があります。特に考慮すべきなのは、「所有」の考え方です。

「共有」にまつわる「所有」の考え方について

例えば、「車を共有する」などのように分割不可能な「物」を共有する場合、誰が優先してそれを所有するか、最終的な責任者は誰か、どこにそれを置くかといった、「共同」ゆえの責任問題などが必然として生じます。

一方、「概念」や「デジタルコンテンツとしての情報」を共有する場合、それらは無形の概念であるため、「所有」のニュアンスは薄まりがちです。例えば機密情報などを扱う際などは、誰が所有しているかというより、誰がそれにアクセスできるかが重要となります。

さらに、SNSなど、見ず知らずの人間と情報を共有することが当たり前のサービスでは、「共有されたものは誰のものでもない(共有範囲すべてに供された、公共的なもの)」といったイメージも一般的です。

例文

  • 職場にある業務用のパソコンは他の職員と共有で使っているので、個人的な目的には使えない。
  • 彼とは同じ価値観を共有していないので、建設的な話し合いが難しい。
  • 重要な取引に関する情報は、外部に漏れないよう幹部のみで共有する。
  • スマホで撮った写真を、タップ一回で友達と共有する。

法律用語としての「共有」

「共有」は、法律用語としても使用されます。基本的には一般的な意味(二人以上の人が一つの物を共同で所有すること)と変わりありませんが、特に不動産分野では、共有のありかたをめぐって法的な問題となることもあります。

例えば、マンションに住んでいる方は、廊下やエントランスといった「共用部分」(の所有権)を他の住民と共有しています。原則として、居住者がその部分に勝手に変更を加えることはできず、他の共有者の同意を得る必要があると考えられます。

法律用語として「共有」と言う際には、特に「誰が所有しているのか」、「どこまで(何割)所有しているのか」、「所有しているものに対して自分が何ができるのか」といった点が問題となりやすい傾向があります。「共有」にまつわるトラブルには注意しましょう。

「共有」の対義語・関連語

  • 「専有」(せんゆう)「共有」の対義語。自分ひとりだけで所有すること。独占すること。
  • 「現有」(げんゆう)…現在持っていること。
  • 「具有」(ぐゆう)…備え持つこと。
  • 「保有」(ほゆう)…自分のものとして持ち続けること。法律用語としては「所有」よりも幅広い概念であり、自分でそれを支配できるという意味がある。


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