「必至」の読み方
まず「必至」は、「ひっし」と読みます。「必」の字は訓読みで「かなら(ず)」と読み、「至」の字は訓読みで「いた(る)」と読みます。「至」に関しては、名前にもよく使われています。
「必至」の成り立ち
「必」の字は、間違いなく、きっと、そのことをしなければならない、といった意味を持っています。一方で「至」の字は、行きつく、行きついてその先がない、といった意味を持っています。
「至」に関しては、「至る」という言葉とほぼ同じ意味です。「至る」にはこの上なく、甚だしいという意味もありますが、これは「至」における「その先がない」に通じます。よって「必至」は、「必ずそこに至る」とも言い換えられます。
「必至」の意味と使い方
上述を踏まえて「必至」は、必ずそうなる、そこに至る、そうなるのは避けられないことや、様子を指して使われます。また転じて、「そうなるのは避けらないだろう」といった、期待や推測のニュアンスを込めても使われます。
たとえば「崩壊は必至」と使えば、「必ず崩壊する、崩壊は避けられない」と伝わります。一方で動画などを宣伝する際、「爆笑必至!」という風にも使われます。
後者は「爆笑に至るでしょう」、「爆笑は避けられませんよ」という謳い文句であり、必ず爆笑するとは限りませんが、これも正しい使い方です。このように期待や推測のニュアンスを込めたり、物事を大袈裟に伝えるときにも「必至」が使われます。
「必至」の例文
- 「大きな失敗の所為で、クビは必至だ」
- 「彼女の昇進は必至である」
- 「この映画は感動できます。号泣必至ですよ」
「必至」と「必死」の違い
「必至」には「必死」という、読み方が同じ言葉があります。混同しがちな「必至」と「必死」ですが、一部の意味が大きく異なります。
「必死」とは必ず死ぬこと、またはその事態の中で、死ぬ覚悟をもって全力を尽くすこと、その様子です。まず必ず死ぬという部分ですが、「必ず死に至る」と言い換えれば、「必至」に通じます。その場合は必ずそうなることを、死に限定しています。
一方、たとえば何かに死にものぐるいで取り組んでいる人を指し、「必死だ」という風に使われる場合は「必至」の意味を含んでおらず、全力を尽くしているという意味です。
将棋においての「必至」や「必死」
将棋においての「必至」は、手筋の1つを意味します。また将棋では「必至」を「必死」とも表し、どちらも同じ意味です。
将棋においての「必至」は、次の手で必ず王が詰む、受ける方法がない状態を表します。つまり「次の手で必ず負けに至る(必至)」、あるいは「次の手で必ず王が死ぬ(必死)」ことです。
このように「必至」と「必死」の共通している意味で使われているので、どちらでも表せるわけです。
「必至」の類語
「必至」の類語には、「必然」、「不可避」などがあります。
「必然」について
「必然」は「ひつぜん」と読み、必ずそうなること、それより他にはなりようのないことを表します。「必至」とほぼ同じ意味の言葉です。
ただし「必然」は「必然性」や「必然的」と、必ずそうなる性質を持っているという意味でも使われます。一方の「必至」は、性や的をつけて使われません。なので性質を表すときなどは、「必然」が便利です。
「不可避」について
「不可避」は「ふかひ」と読み、避けようのないこと、必ず起きること、その様子を表します。こちらも「必至」と同じような意味です。
しかし「必至」には「必」の字が入っていますが、「不可避」には入っていません。そして「不可避」には、避けるなどの「避」が入っています。
よって「必至」は必ず起きる部分に重点を置いていますが、「不可避」は避けられないことに重点を置いています。
なので例えば「爆笑不可避」を「爆笑必至」と比較すると、意味は同じでも、若干ながら与えるニュアンスが異なります。