「心根」とは?意味や使い方をご紹介

世の中には、一見、強面(こわもて)で近寄りがたくても、普段の言動から垣間見える「心根」の優しい人がいます。「心」も「根」もよく知られている漢字なので、「心根」の意味は分かりやすそうですが、この記事では、その「心根」の意味や使い方を詳しくご紹介します。

目次

  1. 「心根」の意味とは
  2. 「心根」の使い方
  3. 「心根」の類語

「心根」の意味とは

「心根(こころね)」の意味は、心の一番奥底にある本当の気持ち、本心、本性、真情です。人の「心」は目に見えませんが、持って生まれた性質や物事の本質を意味する「根」がついて、人の内面のより深い部分を表すことで、「本当の」という意味を強調していると言えます。

「心根」の意味の中で、「本心」は、本当の心、「本性」は、生まれながらに持っている性質、「真情」は、うそや偽りのない真心(まごころ)のことです。

「心根」の使い方

「心根」は、話し言葉でも文章でも使うことができます。あまり例はありませんが、文章では、同じ意味で「心根(しんこん)」という読み方で使われていることもあります。

「心根」は、人の内面そのものを表す言葉ですので、その具体的な性質を指す形容詞(「優しい」とか「冷たい」など)をつけて使うことが多い言葉です。

【例文】

  • この町は、心根の優しい人たちが多くて、とても住みやすい。
  • 仏頂面で取っつきの悪い彼と同じ班になって戸惑っていたが、何度も話しているうちに爽やかで正直な心根の持ち主であることが分かった。
  • 周りからは氷の女王などと言われている彼女のかわいい心根を知っている人は、僕以外にはあまりいない。
  • 真面目でやさしいと評判の彼だったが、付き合ってみると言葉や態度の端々に女性を軽んじる心根が見え隠れしていた。

「心根」の類語

「心根」のように、他人には見えない心の中の考えや性質などを表現する言葉はたくさんありますが、その中からいくつかをご紹介します。

「性根」

性根(しょうね)」は、言葉や態度のもとになる本質的な心の在り方のことです。「心根」とほぼ同義の言葉として使うことができます。なお、「性根」を「しょうこん」と読むときは、一つのことを最後までやり通す根性のことを意味しています。

【例文】

  • 正直で真面目だと思って雇ったのに、性根は怠け者だった。
  • 彼は一見軟弱だが、土壇場になると性根の据わった頼もしい男だ。

「内心」

「内心(ないしん)」は、表には出さない心の中の言葉や考えのことです。数学では、三角形の各辺に内接する円の中心のことを「内心」と言います。

【例文】

  • 初めて彼の家に招かれ、彼の両親や兄弟と楽しく食事をしたが、内心は緊張でドキドキしていたので、料理の味はあまりわからなかった。
  • 内心の自由」は、国民の権利として憲法で保証されているから、何を考えていても罰せられることはない。

「天性」

「天性(てんせい)」は、天から与えられた性質、つまり、生まれつき持っている性質のことです。「天性」も「心根」も持って生まれた性質を表していますが、「天性」は、才能や性格、「心根」は、心の奥底の気持ちや考えなどといった使い分けができます。

【例文】

  • 社長は天性の楽天家で、不況で仕事が減ってもどっしりと構えているが、社員は倒産するんじゃないかと気が気でない。
  • 彼女には、学習では身につかない天性の品が備わっているようだ。

「本音」

「本音(ほんね)」は、建前とは異なる本当の気持ちのことです。「建前」は、「本音」の対義語で、本来そうすべきと決められている原則や方針のことです。「本音」は、個人個人が自由に持つことのできる本当の気持ちや考えですから、「心根」の類語と言えます。

【例文】

  • 普段は偉そうなことを言っていても、何か非常事態が起こると、人は本音が出てしまうものだ。
  • 先輩の誘いだから飲み会に参加するが、本音を言うとたびたび付き合わされるのは勘弁してほしい。

「気立て」

「気立て(きだて)」は、人に備わっている心のあり方や性質のことです。肯定的ないい意味の誉め言葉として、主に若い女性に対してよく使われています。「心根」とよく似た言葉ですが、「天性」と同じように、性格や性質に使う言葉です。

【例文】

  • 今度の見合いの相手は、気立ての良いお嬢さんで気に入ったが、向こうから断ってきた。
  • 取引先の気立ての良さそうな娘さんに一目ぼれしてしまった。


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