「性根」とは?意味や使い方をご紹介

「性根」には、二つの読み方があり、それぞれに異なる意味をもちます。「しょうこん」は根気、「しょうね」は、心の持ち方や心構えを指しますが、「根性」は双方に共通する意味となっています。今回は、類語も含め、「性根」を二つの項目にわけて意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「性根」とは?
  2. 「性根」(しょうこん)の意味と使い方
  3. 「性根」(しょうね)の意味と使い方
  4. 「性根」(しょうこん)の類語
  5. 「性根」(しょうね)の類語

「性根」とは?

「性根」には、二つの読み方と意味が存在します。一つ目は「しょうこん」、二つ目は「しょうね」です。それぞれを、項目別に解説していきましょう。

「性根」(しょうこん)の意味と使い方

「性根」を「しょうこん」と読む場合、その意味は、根性根気ひとつのことを長くやり続ける気力、などを指します。

いずれの意味も、集中力をもって、なにかに打ち込む心の熱度を示しています。「根性」は頻繁に用いられる言葉ですが、この二文字の前後をひっくり返した「性根」(しょうこん)は、会話においてはあまり登場しません。

【用例】

  • 中村画伯は、その晩年に、気力を奮い立たせて森林を描く大作に挑んでいたが、ついに性根がつきて筆を絶ってしまった。
  • 甲子園出場をはたした栄光学園の球児たちは、全員が、毎日暗くなるまで練習に打ち込む見上げた性根の持ち主だ。

「性根」(しょうね)の意味と使い方

「性根」を「しょうね」と読む場合、その人間の根本的な心構え心の持ち方根性、などを意味します。

「性根」(しょうね)は、ほかにも辞書的に多義的な意味をもち、物事の本質的な部分情人・情事なども意味しますが、それらは、現代の日本語ではあまり使われない用法となっているため、今回は割愛いたします。

性根は人間の根本に宿るもの

「性根」(しょうね)は、基本的に人本来の人格や性格の根本に宿るものを指しています。たいていのケースで、自身に対してではなく、他者、第三者を対象として用います。

人間の根本を示すという意味では、現在ではあまり使われない「性根=物事の本質」という用法がここに引き継がれているといえますね。

根本を指す言葉なので、「性根」はたやすく変化するものとしては扱われません。定型的な言い回しとして「性根を叩き直す」がありますが、つまり、根本を変えるには、「叩き直す」ことが必要となるわけです。

興味深いことに、「性根」(しょうね)、すなわち「心の根本」の意味付けは中立であるにも関わらず、実際に用いられる場合は、ネガティブな意味を表す場合が多くなります。

(A男)

和男のやつ、また暴力沙汰で逮捕されたのか。性根が腐っているから、どうしようもないな。

(野球部監督)

練習を怠けたがるおまえたちの性根を叩き直さないかぎり、区の大会で勝ち進むことさえあり得ないぞ。

(C子)

京子さんって、すぐに人の悪口を言うのよね。つまりは性根がねじ曲がっているのよ。

(D子)

従妹の麻里ちゃんは、とても性根の優しい女性で、私にとっては姉妹に近い存在なの。

「性根」(しょうこん)の類語

根気

根気:物事やひとつのことを、飽きずに長く続けていける気力のこと。

文例】

  • 英語の鈴木先生は、落ちこぼれの生徒たちを放課後に集め、彼らが理解できるまで根気よく教え続ける敬服すべき教師だ。

「性根」(しょうね)の類語

心根

心根(こころね):心の本性、本当の心、心の奥底、真情など。

「性根」よりもさらに深い心の本性を表す言葉であるためか、用い方は「性根」とは逆に、ポジティブな意味を含むことが殆どです。

文例】

  • 由美子さんの継母は、とても心根の優しい人だったので、由美子さんは実母がいない寂しさを味わうことなく成長した。

気質

気質(きしつ):性質、気性、気立てなど。

「性根」に比べると、経験や成熟などによって変化しうる部分があります。

文例】

  • 妻は、結婚当初はたいそう神経質な気質だったけれど、僕があまりに大雑把だから感化されたのか、今ではかなり気楽な性格に変化してきたよ。


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