「気骨」とは?
「気骨」という言葉には、「きこつ」と「きぼね」の2つの読み方が存在します。どちらも「心持ち」や「性格」に関係する内容ですが、それぞれ意味が異なりますので、項目をわけて解説していきます。
「気骨」(きこつ)の意味
「気骨」(きこつ)は、自分が正しいと思う信念を守り、いかなる障害にも屈することなく貫き通そうという強い心、強い意気を意味します。
自分の考えを曲げないという意味においては、頑固、強情などとも重なりますが、「気骨」は、つねにポジティブな意味で使われる言葉です。人間の性格として「気骨がある」ことは、称賛すべきものとして扱われます。
「気骨」(きぼね)の意味
「気骨」(きぼね)は、心遣い、心配、気苦労という意味の言葉です。現代では、「気骨」(きぼね)単体で使うことはほとんどなく、「気骨が折れる」という慣用句で見聞きする機会があると言えましょう。つまり、この慣用句以外の「気骨」は、ほぼ(きこつ)と読みます。
「気骨が折れる」とは、あれこれと細かく気を使い、精神的に疲れること、気疲れすることを意味します。
「気骨」の使い方
「気骨」(きこつ)の使い方と例文
「気骨」(きこつ)は、「気骨」(きぼね)に比べると現代でも使われる頻度が高い言葉です。信念を貫き通す強い意志を持つ人間に男女差はありませんが、「気骨」を使う対象は主に男性です。「気骨ある女性」とは、あまり言いませんね。
「気骨」(きこつ)の使い方としては、ほとんどの場合が「気骨ある」「気骨のある」「気骨がある」というかたちで使います、「気骨がある」の反対は、「気骨に欠ける」と表現します。
【例文】
- 山田君は気骨ある男で、自転車で日本一周をやりとげたよ。
- 今年の新入社員たちは、みんな少々気骨に欠けるんじゃないか?
- どんなアスリートも、日本代表に選ばれる人々はみな気骨稜稜だ。
「気骨」(きぼね)の使い方と例文
「気骨」(きぼね)は、さまざまな状況で心が疲れるときに使いますが、身体の疲れには使わないことに留意しましょう。
【例文】
- 上司がとにかく神経質な人なので、こちらも気骨が折れてかなわないよ。
- 取引先の接待は、気骨が折れるばかりで楽しく酔えるわけもない。
「気骨」(きこつ)の類語
「頑固」
「頑固」(がんこ)は、かたくなで、自分の考えや態度をあらためようとしないこと、また、そのさまを意味します。「気骨」とは異なり、ネガティブなニュアンスを持ちます。
【例文】
うちのおやじは、とにかく頑固で話し合うという気がないんだ。
「強情」
「強情」(ごうじょう)は、かたくなに意地を張るさま、自分の意見などを変えようとしないことを意味します。「頑固」よりもさらにネガティブな意味で使われます。人の意見を聞き入れず、自分の意見や態度に意地によってしがみつくというニュアンスがあります。
【例文】
健一君はあまりに強情な性格であるため、友人ができてもすぐ離れていってしまう。
「気骨」(きこつ)を使った四字熟語「気骨稜稜」
「気骨稜稜(きこつりょうりょう)」は、自分の信念を守り貫こうという気概に溢れているさまを意味しています。「稜稜」は、角立っている様子を意味する言葉で、そこから派生して、気性の激しいさま、威勢があって厳正という意味も持ちます。
「気骨(きぼね)が折れる」の類似表現「気が疲れる」
「気が疲れる」は、心づかいや緊張する状況などにより、精神的に疲れること。気疲れするという言い方もあります。神経が疲れる、心が疲れるなども類似の表現です。
【例文】
超高級フレンチレストランでの食事は、マナーに注意せねばならないので気が疲れる。