「信念」の読み方
まず「信念」は、「しんねん」と読みます。「信」に関しては、名前にもよく使われていますね。現代だけではなく、戦国武将などの名前でも「信」の字を見かけます。
「信念」の意味
「信念」には、二つの意味があります。一つ目は行動の大元となる態度や、正しいと信じる自分の考えのことです。二つ目は神仏を固く信じる、信仰心を表します。どちらも信じるという部分が共通していますね。
ただし二つ目は宗教が関わる場合の意味なので、一般的には一つ目を示すところが多いでしょう。ちなみに「信」は嘘がない、真などの意味を持っています。一方の「念」は、心中の思いなどの意味を持っています。
「信念」の使い方
上述を踏まえ、一つ目の意味での使い方ですが、「信念」は正しいと信じて疑わない考え、その大元を指して使われます。
少々分かりづらいかもしれませんが、たとえば「自分の信念に基づいて行動する」だと、「自分が正しいと信じるものを大元として、行動する」というような意味です。他には「信念を貫く」、「信念を守る」、「強い信念」などの表現があります。
また信じるものがない人や、行動に一貫性のない人のことを、「信念のない人」と表したりします。こちらは「フラフラしている、拠りどころがない」というようなニュアンスを含みます。
「信念」の例文
- 「彼女は信念が強い人です」
- 「彼は決して信念を曲げようとしない」
- 「信念を貫くのなら、相応の覚悟が必要だ」
- 「私の信念に基づき、彼の行動を看過できません」
- 「ライバル会社の引き抜きに応じるとは、信念のない人だ」
「信念」を表す英語
「信念」を表す英語には、「belief」や「faith」や「conviction」などがあります。どちらかと言えば日本語の「信念」の一つ目の意味には、「belief」が近いかもしれません。「belief」は「ビリーフ」と読み、たとえば「my belief」は、「私の信念」という意味です。
「信念」の類義語
「信念」の類義語としては、「信条」、「確信」、「信頼」、「忠義」などが挙げられます。
「信条」について
「信条」は「しんじょう」と読み、この言葉には以下の二つの意味があります。
- 強く信じている事柄や、信念のこと
- (キリスト教の)信仰の箇条や教義のこと
たとえば「悪口を言わないことが私の信条です」と使えば、「私は悪口を言わないと心に決めています」というような意味合いです。
「確信」について
「確信」は「かくしん」と読み、固く信じて疑わないことや、その信念を表します。この言葉もまた、意味に「信念」を含んでいますね。
ただし「信念」とは少し使い方が違って、たとえば刑事ドラマなどでは、「犯人が〇〇だと確信する」のような表現を耳にします。これは「犯人は〇〇に違いない、疑いようがない」というような意味です。
他には「勝利を確信する」だと、「勝利を信じて疑わない」ことを表します。「信念」と比べて「確信」は、疑いようがないといったニュアンスが強めです。
「信頼」について
「信頼」は「しんらい」と読み、信じて頼りにすることや、信用して任せることを表します。たとえば「部下を信頼する」は「部下を信じ、頼りにする」という意味です。「友人の信頼に応える」だと、「信じてくれた友人の期待に応える」というようなニュアンスを含みます。
また「現代の医学を信頼し、手術を受ける」という形で使われたりもします。この場合は医学を信じ、頼りにしているわけですね。他には「信頼関係」などの表現があります。
「忠義」について
「忠義」は「ちゅうぎ」と読み、国や主君に対して、真心を尽くして仕えることや、その様子を表します。また、忠節や忠誠の意味を含みます。
主君を信じることこそが正しい、それを貫くという考えを表す場合、「信念を貫く」は、「忠義を貫く」と言い換えられます。そういった部分では、「信念」に通じていますね。