「意気」の読み方
まず「意気」は、「いき」と読みます。「意」の字は表外の訓読みで、「こころ」や「おも(う)」とも読みます。「気」の字は音読みで「け」、表外の訓読みでは「気」だけで「いき」とも読みます。
「意気」の意味
「意気」は細かく分けると複数の意味を持っていますが、どれも気持ちを表す点が共通しています。一つ目の意味は、何かをやろうとする積極的な気持ち、心構えのことです。
二つ目の意味は、意地や根性のことです。これは何かをやり通そうとする気持ち、強い性質を表します。三つ目の意味は、気立てや気前のことです。
「意気」の使い方と慣用句
「意気」は自分や他人の気持ち、心構えや意地、気立てを表すときに使われます。「意気」だけでは何を指すのか曖昧ですが、多くは他の言葉と組み合わせて使うことで、適切に意味が伝わります。
「意気込み」
「意気込み」は「いきごみ」と読み、何かに取り組むときの、張り切った、勢いのある気持ちを表します。これは一つ目の意味です。
なので相手に「いい意気込みだ」と使えば、「勢いがあって、いいやる気だ」と伝わります。また「意気込む」や「意気込んだ」とも活用され、この場合も対象が「張り切る、奮い立つ」ことであり、意味は同じです。
「意気地」
「意気地」は「いくじ」、または「いきじ」と読みます。読み方によって細部が異なり、一つ目と二つ目の意味を持っています。
まず「いくじ」と読む場合、何かをやろうとする気力を表します。こちらは「やる気」そのもので、一つ目に意味に当たります。
「いくじ」は「いくじがない」という風に使われ、これは「頑張る気力がない、締まりがない、やる気がない」といった意味です。
一方で「いきじ」と読む場合、自分や他人への面目から、自分の思うことを通そうとする気持ちを表します。また「いくじ」の意味を内包します。こちらは二つ目の意味、意地や根性のニュアンスで、強い性質を含みます。
「いきじ」は「いきじを立てる」という風に使われ、これは「意地を通す、意地になる」といった意味です。
「意気地が悪い」
「悪い」と組み合わせた「意気地が悪い」は、「いきじがわるい」と読みます。非常に紛らわしくも、これは三つ目の意味です。
「意気地が悪い」とは、気立てが悪いことを表します。気立てとは心の持ちようであり、「心根が曲がっている」というようなニュアンスです。
「意気」を含む四字熟語
「意気」を含む四字熟語には、「意気消沈」、「意気軒昂」、「意気揚々」、「意気衝天」などがあります。
「意気消沈」
「意気消沈」は「いきしょうちん」と読み、意気込みが衰えること、元気をなくすことを表します。この言葉は「意気銷沈」とも書きますが、どちらも意味は同じです。
「消沈」は衰える、なくなる、消えるなどの意味を持っています。なので「意気消沈」は、「積極的だったやる気が衰える」、「当初の勢いが消える」というような意味です。
「意気軒昂」
「意気軒昂」は「いきけんこう」と読み、元気いっぱいな、威勢のいい、奮い立つ様子を表します。この言葉は「意気軒高」とも書きますが、どちらも意味は同じです。
この言葉は意気込みの程度が強い場合に用いられ、たとえば「相手チームは意気軒昂だ」と使えば、「相手チームは奮い立っている、元気が盛んだ」と伝わります。
「意気揚々」
「意気揚々」は「いきようよう」と読み、誇らしげな振る舞いや、得意げで威勢のいい様子、はつらつとして物事に取り組む様子を表します。
威勢のいい点では「意気軒昂」と似ていますが、「揚々」は得意げ、誇らしげという意味を持っています。よって「意気揚々」は、威勢のいいうえで得意げだったり、誇らしげなニュアンスが強いです。
「意気衝天」
「意気衝天」は「いきしょうてん」と読み、天を衝くほどに、このうえなく盛んな意気込みを表します。勿論「ほど」なので比喩であり、実際に天を衝くわけではありません。
「このうえなく」なので、上述の「意気軒昂」や「意気揚々」と比べて、より意気込みが強い、激しいニュアンスです。