「憂鬱」とは?意味や使い方を類語も含めてご紹介

毎日のように伝えられる暗いニュースや個人的な心配事、悩みなどを考えると「憂鬱(ゆううつ)」な気分になる人も多いかもしれません。こういう気分を表す「憂鬱」の類語はたくさんあります。この記事では「憂鬱」の意味や使い方とともに類語などもご紹介します。

目次

  1. 「憂鬱」とは
  2. 「憂鬱」の使い方
  3. 「憂鬱」の類語

「憂鬱」とは

「憂鬱(ゆううつ)」とは、気持ちがふさぐこと、気が晴れないこと、不安になることを意味する言葉で、気分や感情を表しています。もう一つ「憂鬱」には、木が鬱蒼(うっそう)と茂って暗くなっているという意味もあります。

後者の意味は、「憂鬱」の字義や漢字の成り立ちに関係していて、そこから気分や感情に関する意味が派生しています。

「憂」の字義と漢字の成り立ち

」は、音読み「ユウ」、訓読み「うれ-い。うれ-える」と読み、うれえる、おもいなやむ、心配するという意味があります。上の部分の「頁」は「あたま」、真ん中に「心」、下の「夊」は「足」を表し、心配事を抱えて沈んだ気持ちで歩く様子を表しています。

「鬱」の字義と漢字の成り立ち

」は、音読み「ウツ」、訓読み「しげ-る。ふさ-ぐ。さか-ん」と読み、以下のような意味があります。

  1. 草木が茂る。
  2. 気がふさぐ。気が晴れない。ふさがる。
  3. かおり。かおりぐさ。

「鬱」の成り立ちは複雑です。左下の「鬯」は、香草につけた酒を入れた土器、右下の「彡」は香りが漂う様子、上の「缶=甕(かめ)」の両側に「木」を添えて、鬱蒼と茂る木と蓋をした甕の象形で、酒を入れた容器をふさぐ(酒を熟成させる)ことを表しています。

このように、木が茂る、ふさぐ、香りなどの象形から「鬱」という漢字が出来上がりました。そして、「憂」と組み合わされて、上記のような「憂鬱」の意味が生まれました。

「憂鬱」の使い方

「憂鬱」の原因は様々です。人間関係、健康、お金、仕事、恋愛、子育てなど数え上げたらきりがありませんが、こういったことを心配し、深く悩むことが「憂鬱」の原因になります。

また、冒頭の写真のように鬱蒼と木や草が茂った森などには、木々をはじめとする様々な生物の気やにおい、湿気などがこもり、人の気分を暗くしたり、重くしたりする場合があります。そのような自然の状態を「憂鬱」と言うことがあります。

このようなことから、おそらく、多くの人は、「憂鬱」という気分や感情を体験したことがあるのではないでしょうか。

「憂鬱」の例文

  • 明日は苦手な上司との面談があるから、憂鬱で仕事が手につかない。
  • こう毎日雨が続くと家の中が湿っぽくなり、気分まで憂鬱になってしまうよ。
  • 問題の多いマンションの理事長に抽選で選ばれ、これから憂鬱な一年になりそうだ。
  • どうした!憂鬱そうな顔をして。心配事でもあるのかい。
  • 仕事、ローン、介護、これからずっと憂鬱な毎日が続くと思うと嫌になる。
  • 森の散策で歩いたコースは、憂鬱な木々の間に咽ぶ(むせぶ)ような濃密な空気が立ち込めていた。

「憂鬱」の類語

「陰鬱」

「陰鬱(いんうつ)」は、気分や感情の面で「憂鬱」と同義の言葉です。また、木が茂っているという意味はありませんが、人や物事の雰囲気などが、暗い感じで明るさなどを感じさせないという意味もあります。

【例文】

  • 災害で亡くなった人の遺体が運び込まれた体育館には陰鬱な空気が漂っていた。
  • 薄黒い雨雲が立ち込める陰鬱な天気が続いて暗い気分になったので、カラオケで発散した。

「陰気」

「憂鬱」の類語としての「陰気(いんき)」は、人の性格や天気などが暗く、晴れ晴れとしないことを意味します。「陰鬱」よりもよく使われる言葉で、「陰気な人」とか「陰気な天気」などはよく見聞きします。

【例文】

  • 彼は、休み時間に他の級友と混じることもなく、教室の窓から陰気な様子で外を眺めていた。
  • 子供たちからお化け屋敷と言われている古民家は、周囲のモダンな家と全く違う陰気な雰囲気が漂っている。

「物憂い」

「物憂い(ものうい)」は、こころが晴れずに、何をするのも気が進まず、面倒に思うことです。憂鬱な気分になって心が沈み、なにもやる気が出ないようなときに使われます。

【例文】

  • バーのカウンターで、物憂げな様子の女性がじっとグラスを見つめていた。
  • 窓まで降り積もった雪に手を伸ばして、その冷たさを感じながら物憂い冬が早く終わることを願っていた。

「鬱陶しい」

「鬱陶しい(うっとうしい)」は、気分が重く、こころが晴れないことです。天気などによく使われるこの意味で「憂鬱」の類語と言えるでしょう。

また、「鬱陶しい」には、煩わしいとかうるさいという意味もあり、こちらの意味で使うほうが多いようです。

【例文】

  • 鬱陶しい曇り空の隙間からようやく太陽の光が差し始めた。
  • 髪の毛が伸びてきて鬱陶しいから散髪に行ってきた。


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