「保守」とは?意味や使い方を対義語も含めてご紹介

あなたは保守派?革新派?と聞かれると政治のことかなと思いませんか。しかし、「保守」には、別の意味もあり、身近なところで使われています。「保守」の対義語である「革新」の意味も気になるところです。この記事では「保守」の意味や使い方を対義語も含めてご紹介します。

目次

  1. 「保守」とは
  2. 「保守」の使い方
  3. 「保守」の対義語:「革新」

「保守」とは

「保守(ほしゅ)」には、以下の二つの意味があります。

  1. 鉄道や道路、機械やシステムなどを正常な状態に保って、一定の機能を維持すること。
  2. 昔から守られてきた風習やしきたり、考え方や制度などに重きを置いて守ろうとする姿勢やその立場。

「保守」の使い方

我々の日常生活に欠かせない1の意味の「保守」と政治的立場などにも使われる2の意味の「保守」に分けて、使い方をご紹介します。

1の意味の「保守」

我々の生活は、道路・鉄道・上下水道・送電網・港湾・ダム・通信施設などの「産業の基盤となる施設」や、学校・病院・公園・福祉施設などの「生活の基盤となる施設」に支えられています。

これらの施設は、その性能や機能を十分に発揮し、安全に利用できるように、点検整備、修理補修がなされなければなりません。そのような維持管理のことを「保守」と言います。

また、個人の所有する住宅や自動車、様々な設備や機器なども維持管理が必要ですから、「保守」を使うことがあります。1の意味の「保守」を英語で言うと「メンテナンス(maintenance)」と言いますが、人によっては、こちらのほうがわかりやすいかもしれませんね。

【例文】

  • 私の父は、鉄道会社の保守部門に勤務し、終電から始発までの間に線路や架線などの点検・補修をしています。
  • 毎年、2、3月には保守工事と言われる道路工事が多いのは何故だろう。
  • 今度、建設される高層ビルの保守管理業務を、わが社が落札した。
  • 家を新築するにあたって、コージェネレーションシステムを勧められているが、保守管理費用のことを考えると踏み切れない。

2の意味の「保守」

2の意味では、人の考え方や立場などに「保守」を使います。「保守的な考え方」「保守的な態度」などといった表現がよく使われています。

また、政治的イデオロギーとして「保守主義」があります。「保守主義」は、旧来の伝統や風習、政治制度などを尊重して、現状維持を唱えて、急激な変化を好まない立場のことです。「保守」のことを「右派」や「右翼」などと言うことがあります。

【例文】

  • 彼は、一緒にいると楽しい人だけど、食事に関しては保守的で、いつも同じレストランやカフェしか行かず、新しい店を開拓しようとしないのがちょっと残念。
  • 保守的な考え方に凝り固まっている父は、夫が子供のおむつを替えるのを苦々しく思っているようだ。
  • 今度の総選挙では、保守系政党と革新系政党の議席が拮抗(きっこう)するという結果に終わった。

「保守」の対義語:「革新」

「革新(かくしん)」は、「保守」の2の意味の対義語で、古くからの風習や考え方、制度などを新しく変えること、現状を変革しようとすることです。

「保守」と「革新」の違いを一言で言うと、変化に対して消極的なのが「保守」積極的なのが「革新」と言えるのではないでしょうか。

「革新」は、「保守」と同じように、人の考え方や立場、政治的なイデオロギーで使われ、「革新的な考え方」「革新的な態度」や「革新主義」「技術革新(=イノベーション)」といった表現で使われる言葉です。政治的な立場では、「左派」や「左翼」とも言います。

【例文】

  • 1980年代にショルダーフォンとして発売された携帯電話は3キロの重さがあったが、技術革新の結果、今では手のひらサイズで200グラム前後のスマホが普及している。
  • A社は、革新的なアイデアのニッチ商品を次々に発売して注目を浴びています。
  • 革新派の知事が集まって、地方公共団体の在り方について議論を深めた。
  • 「二・二六事件」事件の背景には、「昭和維新」と呼ばれる革新思想があったと言われている。


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