「重きを置く」とは?意味や使い方を例文を含めてご紹介

「重きを置く」、硬く古めかしい言葉ですが、ビジネスシーンや年配の方々の間では多用されています。「重き」の意味がわかれば、全体の意味はすんなり理解できることでしょう。今回は「重きを置く」の意味と使い方を、類語を含めてご紹介します。

目次

  1. 「重きを置く」とは?
  2. 「重きを置く」の使い方
  3. 「重きを置く」の類語

「重きを置く」とは?

「重きを置く」は、(おもきをおく)と読みます。「重き」というあまり馴染みのない言葉に戸惑を覚える人も多いかも知れません。

「重き」は、形容詞「重し」の連体形が名詞化したものです。意味は、重点、重いこと、重み。「重きを置く」の「重き」を「重点」に置き換え、「重点を置く」としてみると、意味がわかりやすいですね。

「置く」は、きわめて多義的な言葉です。「重きを置く」に用いられている「置く」には、(ある状態にすえる)という意味が該当します。

「重きを置く」とは、対象とするものを重要で大切なものと扱うこと、重要視すること、重点を置くこと、を意味する言葉なのです。

「重きを置く」の使い方

「重きを置く」という言い回しを使う場合は、その対象を示して初めて意味が成立します。「○○に重きを置く」というかたちで用いますが、○○の部分には、人、事物、などあらゆるものを持ってくることが可能です。

また、「~に重きを置く」という表現には、その対象よりも「重きを置かれない」存在があるという含みがあります。その場合、「重きを置かれていない」対象を明言する必要はありませんが、はっきりと示しておくと、よりわかりやすくなることが多いです。

「重きを置く」の文例

  • A子さんは、子どもが小学校を卒業するまでは子育てに重きを置くことに決め、フルタイムの仕事をアルバイトに切り替えた。
  • 役者のB男は、初めてミュージカルへの出演を果たしたが、舞台では歌に重きを置きすぎたためか、演技に今一つ説得力が欠けていた。
  • 課員の営業力を比べると、C君が断然優れている。当然、重要顧客担当の配分は、C君に重きを置くことになる。

「重きを置く」の類語

「重視する」の意味と使い方

「重視(じゅうし)する」とは、対象とする物事を重要なものとして見ること、大切なものとみなすことを意味する言葉です。

【文例】当幼稚園では、子どもたちがのびのびと楽しく遊べることを最も重視して、各カリキュラムを組んでいます。

「比重を置く」の意味と使い方

「比重(ひじゅう)を置く」には、大きく分けて次の二つの意味があります。①ある対象が全体に占める割合を増やすこと。②ある対象を特別なものとして重視すること

どちらの意味でも、「重きを置く」の類語たりえます。「比重を置く」は、基本的にはいくつかの候補のうちの1つを重要視する、というニュアンスを持つ言葉です。単独の対象に対して使われることはあまりありません。

【文例①】当校の英語教育は、読む、書く、聴く、話す、という4分野のうち、わけても「話す」ことに比重を置いています。
【文例②】我が社は、化粧品メーカーの原点として、基礎化粧品の開発と販売に比重を置いています。

「軸足を置く」の意味と使い方

「軸足(じくあし)を置く」も、「重きを置く」の類語として使われる言葉です。対象となるものを「~に」というかたちで示し、そのあとに続けて使います。「軸足」は、以下の二つの意味をもちますが、「軸足を置く」の「軸足」は、2の意味での用法です。

  1. からだを支える軸のように機能するほうの足(スポーツをはじめとする、身体動作を行う際に用いる)
  2. 行動や思考において、中心となる重点

【文例①】当社の今回の販売推進キャンペーンは、主要商品の音響製品に軸足を置いたものとなります。
【文例②】実家は代々りんごに軸足を置いた農園を営んでいる。

方針の変更などにより、重きを置く対象を変えることを、「軸足を移す」と表現することがあります。その文例をひとつ挙げておきましょう。

【文例】A選手は現在も現役で活動しているが、徐々に後進の育成に軸足を移してきている。

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