「幸多からんことを」とは?意味や使い方をご紹介

お祝いの席などで挨拶をする場合には、伝統的な決まり文句のようなものが使われることが多くあります。「幸多からんことを」も、人生の門出や転換期の場面で、よく使われるフレーズの一つです。ここでは、「幸多からんことを」の意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「幸多からんことを」とは?
  2. 「幸多からんことを」:意味
  3. 「幸多からんことを」:シーン別の使い方

「幸多からんことを」とは?

結婚式のスピーチで、一度は「幸多からんことを」をいうフレーズを聞いたことがあるのではないでしょうか?

「幸多からんことを」とは<さちおおからんことを>と読み、お祝いの席など、フォーマルな場面で使うことの多い言葉です。

文字の通り、幸せが多いといった良い意味であることが、想像できるのではないでしょうか?どんな人に対しても使うことのできる素敵な言葉です。

「幸多からんことを」:意味

「幸」は<さち>と読み、「幸せ」「幸福」のことで、良い出来事が起きることを意味しています。「多からんこと」は「たくさん訪れますように」という訳すことができ、「幸せがたくさん訪れますように」という願いや祈りをのせた言葉です。

「幸多からんことを祈っています」のようにも使えますが、「幸多からんことを」だけでも祈りや願いの意味を持っているため、「幸多からんことを!」のように単独でも使えます。

否定ではない?

「多からん」という言い回しが、一見、否定のように見えるかもしれません。もし、この文が否定文であるとしたら、「幸せがたくさん訪れませんように」というお祝いの席では、絶対に使えないような言葉になってしまいます。

しかし、これは昔の書き言葉からくる文体で、現在の話し言葉とは異なります。「~ん(む)」は「行きません」のような「否定」ではなく、現代でいう「推量」の意味を表しています。

例えば「言わんとすることは分かった」というのは「言おうとしていることは分かった」という意味です。「多からん」は、現代の言葉で言い換えると「多かろう」という表現が当てはまるでしょう。
 

「幸多からんことを」:シーン別の使い方

結婚式

相手の「幸せ」を願うシーンの代表格として、「結婚式」が挙げられるのではないでしょうか。人生の中で一番幸せを感じたと思う人も多いと言われていますが、「幸多からんことを」という言葉も、ぴったりのイベントです。

新郎新婦へのお祝いのメッセージとして、「結婚おめでとう。二人の門出に幸多からんことを。」「ご結婚を祝し、心からお慶びを申し上げると共に、末永く幸多からんことをお祈り申し上げております。」などのように使われます。

卒業式

人生の門出としてふさわしい場面に「卒業式」も挙げられます。まさに新しい世界に飛び立とうとしている卒業生たちへのエールとして使われます。

担任や校長先生などが、生徒たちの未来を願って「ご卒業おめでとうございます。この先のみなさんの人生幸多からんことをお祈りしています。」「皆様の未来に幸多からんことをお祈り申し上げます。」などの言葉をかけます。

入社式

入社式も新たな世界に飛び込んでいく門出の場面です。「幸多からんこと」は、社長や先輩からの新入社員に対してのスピーチでよく使われるフレーズです。

この場合は、ただ相手の幸せを願うというよりは、相手の仕事での活躍を願うといった意味合いです。「頑張れよ!」という上司からの激励の一つと捉えましょう。

「入社おめでとうございます。みなさんのこれからの社会人生活が、幸多からんことをお祈りしています。」「みんなの前途に、幸多からんことを心から祈っています。」のように使われます。

年賀状

友達同士の年賀状であれば「ことよろ」「あけおめ」など、カジュアルな表現で済みますが、悩むのが上司や取引先などにおくる年賀状の文面です。

こういったかしこまった文章にも「幸多からんことを」は、オススメの言葉です。「新年もあなたに多くの幸せがありますように」という思いを込めることができます。

「今年一年が、○○様にとって幸多からんことをお祈りします。」のように「ご多幸をお祈り申し上げます。」と同じ意味で使われます。

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