「最後の砦」の意味は?
「最後の砦(さいごのとりで)」とは、次のような意味を持つ言葉です。
- 外から入ってくる敵から、本拠とする場所を守るための、最後の建造物(砦)のこと。
- 1.の意味から転じて、最終的に勝敗を決める場面での重要な物事のこと。
「砦」とは?
「砦」には、次の2つの意味があります。
- 城のうち、領主が本拠にしている城から離れたところに作られた小さな城のこと。
- 外から侵入してくる敵に備え、敵を防ぐため、または重要な場所を守るために作られた建造物のこと。要塞(ようさい)、城塞・城砦(じょうさい)とも言う。
「とりで」という言葉は、「取り出して築く城」から来ています。また、「とりで」を表す漢字には、「砦」のほかに、「塁」・「寨」があります。
「最後の砦」使い方
- この城は、戦国時代に、周りの強い国から攻め込まれたときにこの地方を守る最後の砦となった城です。
- 文化祭では、わが科学部と美術部が展示室の使用をめぐって争っている。部長の今回の意見が、美術部の意見から科学部の立場を守る最後の砦になるだろう。
- オレオレ詐欺から高齢者を守る最後の砦として、地域のコンビニエンスストアに期待されている役割は大きいと言える。
「最後の砦」英語での表現
「最後の砦」を英語で表現すると、次の通りです。
- last bastion(last:最後の、bastion:砦)
- last stronghold(stronghold:砦、要塞、本拠)
- last stand(stand:立場)
- last frontier(frontier:辺境、未開拓分野)
- last defense(defense:防御、守備、防御物)
【例文】:
- This community is the last bastion of democracy.(このコミュニティが民主主義の最後の砦だ。)
「最後の砦」をタイトルにした作品
「最後の砦」という言葉は、本などのタイトルにも使われています。その中から2つ、紹介します。
映画『最後の砦』
『最後の砦(原題:The Last Outpost)』は、1951年に制作され、1956年に公開された、パラマウント配給のアメリカの映画です。南北戦争を題材にした映画で、アメリカ第40代大統領のロナルド・レーガン氏が俳優として出演しています。
シングル『さいごの砦』
『さいごの砦』は、2001年8月8日に発売された小松未歩(こまつみほ)さんのシングルです。小松未歩さんは日本のシンガーソングライターで、現在は活動を休止しています。
新型コロナに対する最後の砦:「ECMO」
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、医療機関でもさまざまな治療が試みられています。
そんな中、人工呼吸器では治癒が期待できない重症患者治療の「最後の砦」として位置づけられ、メディアでも目や耳にする機会が増えてきたのが、体外式膜型人工肺の「ECMO(エクモ)」です。
ECMO
「ECMO」は、人工肺として肺の機能を肩代わりする装置です。患者の体と太い管でつながれたECMOは、患者の体内から取り出した血液から二酸化炭素を取り除き、代わりに酸素を加えて体内に戻します。
本来、肺が行うこの機能をECMOが担うことで、重症患者の肺を休ませて回復させる効果が期待できます。効果的な装置ですが、使ったことのある医療従事者はまだそれほど多くなく、各地で講習会が開かれるなどの対策がされている最中です(2020年9月現在)。
また、現在使われているECMOは1週間程度で交換が必要なため、患者が回復するまで長期間使うことのできるECMOの開発も急ピッチで進められています。