「託す」とは?意味や使い方をご紹介

「任務を託す」「親書を託す」「想いを託す」など、「託す」は様々な場面で使われる言葉ですね。このように、事柄・物・気持ちなどを他へ委ねて任せることが「託す」ことです。今回は「託す」の意味や使い方を、類語を含めてご紹介します。

目次

  1. 「託す」とは?
  2. 「託す」の使い方
  3. 「託す」の類語

「託す」とは?

「託す」(たくす)には、大きくわけて三つの意味があります。

  1. 自分がなすべき事柄を他者に依頼すること
  2. 物品を他者にまかせて、目的の場所に届けてもらうこと他者や組織などに伝えるべき要件を第三者にことづけること
  3. 自分の意見、思いなどを他の何かにことよせて表現すること

上記の三つの意味は、基本的に共通した部分をもっています。それは、自身がすべきことや役割を、何か他のものを経由して、任せることです。

「託す」の使い方

「託す」には、上記のように三つの意味がありますので、ここでは、意味ごとにその使い方を紹介しましょう。

意味1の使い方

「託す」の意味1は、自身のなすべきこと事を他者に依頼する、ということですから、文章の中には必ず託す人物」、「託す事柄」、「託される人物」の三点が登場することになります。

託す事柄は、実に多岐にわたります。なすべき仕事や要件といった具体的なものから、希望や夢などの抽象的なもの、時には運や身体、命といった大きなことまで含みます。

(A男)

転んで足を骨折してしまったので、入院することになったんだ。明日の部長へのプレゼンテーションは、全て鈴木君に託すから、よろしく頼むよ。

(B子)

陽子さんは、ピアニストになりたかった自分の夢を娘さんに託して、幼稚園の頃から著名な先生の元に通わせているのですって。

(C男)

大リーグに行く夢を叶えるため、手首の手術をしてくれる佐藤医師に自分の未来を託すつもりだ。

意味2の使い方

「託す」の意味2は、品物を他者に頼んでどこかに届けてもらう、誰かに伝えるべき要件を他者に言づける、という意味ですから、使い方にはもう少し複雑な関係性が入ってきます。

すなわち、託す人物託す品物(要件)、託される人物、そしてれを受け取るべき人物(場所や組織など)と、四点の存在が必須です。

(D男)

中村さん、申し訳ないのですが、この本をあなたに託しますので、山本教授の研究室まで届けてください。

(E子)

あなたが真由美ちゃんとランチするなら、来週の予定について、彼女への言づてを託してもいいかしら?

意味3の使い方

「託す」の意味3は、自分の思いを何かにことよせる、というものです。ロマンチックな場面で使われることもありますが、その一方で怒りや憎しみを表現する場合もあります。

いずれにしても、直接的な言い方を避けて、婉曲に思いを伝える術というものは、古くから用いられてきました。

(F子)

平安時代の恋し合う男女は、和歌に想いを託して送りあったのですって。ロマンチックだわ。

(G男)

子供の頃、日頃の恨みを託して、いじめっ子の靴に画びょうを入れたことがあるよ。そんなことをしても気が晴れるわけないのに、馬鹿なことをしたものだ。

「託す」の類語

「委ねる」の意味と使い方

「委ねる(ゆだねる)」には、「対処などを他者に任せる・いっさいを任せる」「身を捧げる・すべてを捧げる」という二つの意味があります。

前者の意味において、「委ねる」は「託す」の類語と言えます。ただし、「託す」の意味3、思いを何かにことよせる、という意味は「委ねる」にはありませんので注意しましょう。

(H子)

課長に提出するレポートのまとめがどうしても文章にならないわ。あとはあなたに委ねるから、よろしくお願いします。

(I男)

俺ももう70才だから、農作業のいっさいは息子に委ねることにしたよ。

(J子)

両親から国際結婚は反対されたけど、トムに自分の人生を委ねる覚悟で、私はアメリカに行くわ。

「委任」の意味と使い方

「委任(いにん)」とは、「仕事や要件を他人に任せること」という意味で、下のように使います。「委任」には法律の用語上の意味もありますが、こちらは「託す」の類語ではありませんので、説明は割愛します。

(K社長)

我が社とライト社の業務提携の交渉は山田専務に委任しますから、しっかりと進めていってください。


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