「開拓」の読み方
まず「開拓」は、「かいたく」と読みます。「開」は訓読みで「ひら(く)」と読む字ですが、実は「拓」にも表外で「ひら(く)」という読み方があります。
「開拓」の意味
「開拓」には、以下の二つの意味があります。
- 山林や野原などを切り開いて、田畑や住居地、道路を作ること
- 新しい分野、領域、進路などを切り開くこと
どちらの意味も、何かを切り開くことが共通していますね。ちなみに「開」の字には開くことの他にも、始まるや自由にするなどの意味があります。一方の「拓」の字は、野原を開いて土地利用できるようにするなどの意味を持っています。
「開拓」の使い方
「開拓」は名詞として「開拓の~」や「開拓で~」のように使われる一方で、動詞として「開拓する」や「開拓して」などのように使われます。また「開拓」を含む言葉には、「開拓者」や「開拓地」などがあります。
開拓:土地を切り開くこと
【例:野原を開拓して、畑を作る】
これは1の意味で、動詞として使っています。この場合はそのまま、「野原を切り開いて、畑を作る」と言い換えられます。もっと具体的には、野原の雑草を刈ったりして、畑として使えるように整える感じです。
似たような使い方としては、「山を開拓する」や「開拓のために木を伐採する」などの表現があります。
開拓:分野や領域を切り開くこと
【例:商品の売り上げが順調なので、新たな市場の開拓を考える】
これは2の意味で、名詞として使っています。こちらもそのまま、「新たな市場を切り開くことを考える」と言い換えられます。
1の意味との違いとして、物理的に草や木を切ったりするわけではないので、とりわけこの例文の場合、その規模を広げていくようなニュアンスが強めに伝わるかと思います。
「開拓者」とは?
「開拓者」とは、山野の開拓に携わる人のことや、新しい分野を切り開く人のことです。つまり「開拓する人、開拓した人」を表すわけですね。
分野に関して、たとえば「現代音楽の開拓者」でしたら、「現代音楽の新しい方面、領域を切り開いた人」という意味です。また切り開くだけではなく、その新しい何かを推し進めていく人のようなニュアンスも含まれます。
「開拓地」とは?
「開拓地」とは、開拓した土地のことを表します。そのままの意味ですね。そして土地なので、「開拓」における1の意味で用いられています。
使い方としては、「開拓地の様子を見にいく」のような表現があります。単に「開拓の様子を見にいく」でしたら「開拓の作業の様子を見にいく」と伝わるかと思いますが、「開拓地」を使うと、その土地を見にいくことが伝わりますね。
「開拓」や「開拓者」を表す英語
「開拓」を表す英語としては、「reclaim」などがあります。発音は「レクリエム」のような感じで、「開拓」における1を示す他にも、改善などの意味があります。
改善という部分については、「使い勝手の悪い土地を改善する」のように考えると、「開拓」に通じるところがありますね。
また「開拓者」を表す英語に、「pioneer」という言葉があります。これは「パイオニア」と読み、何かの紹介文にもよく使われているので、目にしたことのある方は多いかと思います。
「pioneer」は「開拓者」の他にも、先駆者などの意味を持っています。他人よりも早くその分野に取り組んだ人、というようなニュアンスです。
「開拓」の類語
「開拓」の類語には、「開墾」や「開発」などがあります。
「開墾」について
「開墾(かいこん)」とは、山野を切り開き、新しく田畑や宅地、水路などにすることを表します。「開拓」の1の意味とソックリですね。
違いは曖昧で使い分けが難しいのですが、「墾」の字は、荒地を開いて耕すなどの意味を持っています。よって荒地を切り開き、耕す=田畑にすることを表すのなら、「開墾」の方が相応しいかもしれません。
「開発」について
「開発(かいはつ)」には幾つかの意味がありますが、中でも土地などの資源を活用して農場や住宅を作り、その地域を盛んにすることという点が、「開拓」の1の意味と似ています。
たとえば盛んにするという意味で、「土地を開拓して住人を増やす」は、「土地を開発する」と言い換えられます。他には「農地の開発計画」などのように使われます。