「ラインナップ」:意味
「ラインナップ」は英語の「line-up」に由来する言葉で、基本となる意味は「一列に並んだもの」です。「ライン」(line)という言葉をイメージしていただくと分かりやすいでしょう。「line」は、線や列などを指す名詞、または、並べる・線を引くことなどを表す動詞です。
英語の「line-up」は、顔ぶれ・出場メンバー・テレビなどの番組構成などを表します。カタカナ語の「ラインナップ」の意味もほぼ同じで、大きく分けて、次のふたつの意味があります。
- 顔ぶれ
- 構成
次の項から、それぞれの意味について詳しく見ていきましょう。
「ラインナップ」:1.顔ぶれ
意味
「ラインナップ」の意味のひとつは、「顔ぶれ・陣容」です。ここで「ラインナップ」の原義を思い出してください。人を一列に並べると、人の顔がしっかりと認識できますよね。そこで、ある集団の構成員、つまり、メンバーと言い換えることができます。
野球用語として「ラインナップ」を用いる場合は、選手を一列に並べたもの、つまり、打順(バッティングオーダー)を表します。
使い方
- 新作映画の出演者のラインナップが豪華だ。
- 今日の試合のラインナップが発表された。
「ラインナップ」:2.構成
意味
「ラインナップ」には「構成」という意味もあります。具体的に言えば、ひとつは、番組表やプログラムです。テレビやラジオの番組表、映画館の上映スケジュールなどを思い浮かべていただくとイメージしやすいかもしれませんね。
また、製造業や小売業において、品揃えを指すこともあります。こちらは、商品が陳列されていたり、カタログに並べて紹介されていることから、一列に並んでいる様子が見て取れるでしょう。
使い方
- 家で過ごす時間が増えたので、テレビのラインナップに期待している。
- このブランドの新作ラインナップはエッジが効いているね。
「ラインナップ」:類語
1.顔ぶれ
「顔ぶれ」の 意味で用いられる「ラインナップ」に類する言葉は、さまざまな団体の構成員を表す言葉が相当します。
【クルー】(crew)
「クルー」には、船や飛行機などの乗員、または、チームの仲間・一団などの意味があります。しかし、「ラインナップ」のように一列に並んで顔を見せるというニュアンスはありません。「このチームのクルーは気心が知れている」のように用いることができます。
【レギュラー】(regular)
「レギュラー」にはいくつかの意味がありますが、「ラインナップ」に近いのは、正選手や常に出演する人を指す「レギュラーメンバー」の略です。「彼は怪我でレギュラーを外された」のように使います。ただし、こちらも、一列に並ぶというニュアンスは含みません。
【雁首を揃える】(がんくびをそろえる)
「雁首を揃える」は関係者が並ぶという意味ですから、「ラインナップ」のように整列するというニュアンスを含みます。しかし、「雁首を揃えて来たところで謝罪は受け入れない」のように、おもに、悪い意味で用いられる言葉です。
2.構成
「構成」という意味で用いられる「ラインナップ」の類語には、要素や内容を一覧できるものを指す言葉です。
【メニュー】(menu)
飲食店の献立表を指すこともありますし、パソコンやアプリ、ウェブサイトの項目一覧(メニュー画面)を言う場合もありますね。「美味しそうなメニューばかりで迷ってしまうね」「このアプリはメニュー画面が分かりにくいな」のように用いられます。
【コンテンツ】(contents)
「コンテンツ」は内容や中身を指す英語の「content」に由来する言葉です。目次という意味においては、情報の一覧ですから、「ラインナップ」とほぼ同じです。
また、近年では、ネットを介して提供される配信映像や音楽、ゲーム、書籍といったものを指す場合が多くあります。「この映像配信サイトは海外のコンテンツが増えてきた」のように使います。
「ラインナップ」と「ラインアップ」
「ラインナップ」と「ラインアップ」に違いはあるのでしょうか?実は「ラインナップ」と「ラインアップ」は語源も意味も同じです。どちらを用いても間違いではありません。
違いは、「line-up」の「ライン」と「アップ」を離して読むか、「ン」と次の「ア」を繋げて「ナ」と発音するかだけです。「ラインナップ」は話し言葉で、「ラインアップ」は書き言葉で使われることが多いようです。