デカフェとは 言葉の意味
デカフェ(ディカフェ)は、英語の「decaffeinated」を略して「Decaf」と書いたものに由来しています。英語での発音は「ディキャフ」または「デキャフ」となります。「デカフェ」という呼び方以外にも、「カフェインレス」や「カフェインフリー」といった言葉もよく使われています。
日本人は「カフェ」と聞くと、喫茶店(cafe)をイメージしがちですが、「decaffeinated」の「caffeinated」は「カフェイン入りの」という意味です。また、「de(デ)」は「抜く」「取り除く」ことを意味しており、デカフェとは「カフェインの除去処理をした」ということを表す言葉なのです。
デカフェとは カフェインの除去方法
カフェインが含まれる食品として最もポピュラーなのはコーヒーですが、実は日本茶・紅茶・ココアなど様々な飲み物にカフェインが含まれています。
デカフェとは、そのような飲み物からカフェインを取り除いている場合に使われますが、「デカフェ」と単体で呼ぶ場合にはカフェインを取り除いたコーヒーのことをさす傾向があります。コーヒー以外の飲み物の場合は、「デカフェ紅茶」「デカフェ玄米茶」など、どういう飲み物からカフェインを除去したのか示されていることが多いです。
カフェインの除去の仕方には、以下のような複数の方法があります。このような処理が行われた商品に対して、「デカフェ」「カフェインレス」「カフェインフリー」などと表示されています。
- 高圧力をかけた二酸化炭素で除去する
- 有機溶媒を通す
- 水で抽出した後に有機溶媒によってカフェインだけを取り除く
- カフェイン含有率の少ない品種の栽培
デカフェの使い方
- 「デカフェの飲み物はありますか?」
- 「昔飲んだデカフェのコーヒーは美味しくなかったけれど、最近は味がよくなった」
- 「新発売のデカフェ、飲んでみた?」
デカフェ商品のカフェイン含有率の基準
日本の場合、デカフェに関する明確な基準はまだありません。例えばコーヒーの場合、コーヒー豆、レギュラーコーヒー、インスタントコーヒーいずれの場合でも、カフェインが90%以上除去されているコーヒーは、「デカフェネイテッドコーヒー(デカフェコーヒー)」「カフェインレスコーヒー」「カフェインフリーコーヒー」と表示してよいことになっています。
つまり、日本ではその食材の本来のカフェイン含有率に比べて90%以上除去されている場合に、「デカフェ」と称して販売されていることになります。しかし、実際にはカフェインを完全に除去できている訳ではなく、含有率にも1%~10%未満とかなりの幅があるのです。
ヨーロッパ(EU)のデカフェの基準では、コーヒー豆やレギュラーコーヒーの場合はカフェインを99.9%まで除去することが求められています。また、インスタントコーヒーの場合も99.7%まで除去することが求められており、日本に比べてかなり厳格です。
デカフェの商品
健康志向の高い人や妊娠中の人などを中心としてニーズが増えており、様々な種類の飲み物のデカフェ商品が販売されるようになりました。リーフタイプ、リキッドタイプのどちらにおいてもバリエーションも広がり、カフェのチェーン店やコンビニエンスストアでもデカフェ商品が選べるなど普及してきています。
日本では、2010年頃から商品化が進んできましたが、海外に比べると商品の割合はまだまだ少ないというのが実情です。2020年のオリンピック開催にあたっては、デカフェを求める観光客が多く来日することから、今後も商品のバラエティや開発がますます進んでいくことが予想されます。