「中トロ」とは?意味や「赤身」「大トロ」との違いもご紹介

お寿司屋さんでも人気のマグロ。マグロならやっぱり中トロがいちばん、いや、赤身のおいしさも捨てがたい、と好みはわかれても、みんなが好きなごちそうであることは、多くの人が認めるところでしょう。この記事では、「中トロ」について解説します。

目次

  1. 「中トロ」とは?
  2. 「大トロ」とは?
  3. 「赤身」とは?
  4. 「マグロ」とは?

「中トロ」とは?

マグロの胴体の身は、大きく分けて、「トロ」と「赤身」の2種類に分かれます。「トロ」は「赤身」にくらべて脂肪の多い部分を指しますが、「トロ」の中でもとくに脂肪が多い部分を「大トロ」、それに次いで脂肪の多い部分を「中トロ」と呼びます。ただし、大トロと中トロを明確に区別する基準はありません。

「中トロ」は、脂の甘みと赤身のうまみを同時に楽しむことができる部位で、値段は大トロより安くなっています。

「中トロ」がとれる部分

マグロの胴体の身は、頭のほうから尾のほうに向かって順に、上(かみ)、中(なか)、下(しも)の3つにわかれます。それぞれが、背側、腹側で、次のように呼ばれます。

  • 背かみ、背なか、背しも
  • 腹かみ、腹なか、腹しも
脂肪分が多いのは、次の順です。
  • 腹側>背側
  • かみ>なか>しも(頭部に近いほうが脂肪分が多い)
「中トロ」は、主に背側の身と、腹なか、腹しもからとることができます。「大トロ」は腹かみからとることが多いですが、中トロも混在する腹なか、背かみからとることもあります。

「大トロ」とは?

「大トロ」は、トロの5分の1ほどしかない希少な部位です。そのため、値段は他の部位に比べていちばん高くなっていて、100gあたり3000円以上することもあります。脂肪分が多いので、濃厚なうまみととろけるような食感が特徴です。

トロ100g当たり、カロリーは344Kcalで、タンパク質20.1g、脂質27.5gを含みます。ビタミンA・Dを赤身の3倍以上、ビタミンEを赤身の倍、含みます。他の食材に比べて、ビタミンDとナイアシンを多く含んでいます。

「赤身」とは?

「赤身」は、一般的なマグロの部位で、値段はトロよりも安くなっています。適度な酸味と特有のうまみがあるのが特徴で、通好みの味であるとも言われています。

赤身100g当たりカロリーは125Kcalで、タンパク質26.4g、脂質1.4gを含み、低カロリー、高たんぱくのヘルシーな食材です。ミネラルの一種であるセレンを多く含みます。

「マグロ」とは?

マグロは、サバ科マグロ属の大型肉食魚です。回遊魚で、広い範囲の海を回遊します。ときには時速100Kmの速さで泳ぐこともあります。日本をはじめ、世界のたくさんの地域で食用にされています。

マグロの栄養

血液をきれいにして、動脈硬化や血栓を予防する効果のあるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)を多く含みます。鉄分や、血行を良くするビタミンE、動脈硬化を防ぐ作用のあるタウリンも多く含まれます。

100gあたりのタンパク質含有量は牛肉・鶏肉よりも多いと言われていて、メチオニンやシスチンなどの良質なアミノ酸を多く含んでいます。

マグロと日本人

日本でのマグロの食用としての歴史は古く、縄文時代の貝塚からもマグロの骨が見つかっています。

江戸時代以前には、マグロと言えば赤身のことを指していました。当時、脂を多く含んだ濃厚なトロの味があまり好まれなかったことや、脂肪分の多いトロが赤身にくらべて保存の点でも劣ることなどが原因とされています。ねこも食べずにまたいで通る、とも言われていました。

近年、保存や輸送の技術が進んだことや、食生活の変化によって脂のうまみを理解する人が増えたことから、トロの人気が高まり、値段も高くなるようになりました。

現在は、焼津漁港(静岡県)、三崎漁港(神奈川県)、勝浦漁港(和歌山県)などが陸揚げの多い主な漁港です。

日本で主に食べられているマグロの種類

  • クロマグロ(本マグロ)…もっとも高級とされ、マグロの王様とも言われる。大きくなると、400Kgを超える。
  • ミナミマグロ(インドマグロ)…クロマグロの次に高級とされる中型マグロの一種。南半球に生息する。
  • メバチマグロ…関東を中心に流通量の多い中型マグロ。回転寿司などにもよく使われている。
  • キハダマグロ…赤身があっさりしていて、かための身の中型マグロ。
  • ビンナガマグロ(ビンチョウマグロ)…小型のマグロで、缶詰などの加工品にもよく使われる。

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