「次善策」の意味
「次善策(じぜんさく)」は「次善の策」という言い方もよくされる通り、「次善」と「策」の2つの言葉から成り立っています。「次善」の意味は「最善に次いで良いこと。最善が得られない場合、それに次ぐ第二のこと」です。
また「策」のここでの意味は「計画」です。つまり「次善策」とは、「最善の方法がうまく行かなかった場合に利用する二番目に良い計画・方法」です。英語で「セカンドベスト」という言い方もします。
最善策には及ばないものの二番目に良いという点から「もしもの時」や「いざという時」の第二候補として用意されることが多いです。
「次善策」の使い方と例文
「次善策」はあくまでも「最善策が利用できない、または失敗した場合に備え、考えておくもの」であるため、「次善策を考える」という使い方が多用されます。
また、「次善策を講じる(講ずる)」という表現も見られます。「講じる」は「策を実際に行う」という意味です。
例文
- 最善策として用意したプランがもし通用しなかったら、次善策として考えておいたものを使おう。
- もしもの時のために作った次善策であったが、思わぬ高評価を受けて少し複雑な気持ちになった。
- 最善策が失敗におわり次善策を講じることになったのだが、予め心の準備は出来ているので問題ない。
間違えやすい「事前策」
「じぜんさく」と聞いて「事前」の漢字を思い浮かべた人もいるのではないでしょうか。「事前」とは「事の起こる前・物事を実行する前」を意味します。そこから「事前策」が正しい表現で、「実行する前に準備しておく策」のように考えてしまうかもしれません。
しかし、「事前策」は間違いです。「事前に策を練る」という言い方は可能ですが、いずれにしても「次善策」とは意味が異なるため、「じぜんさく」を漢字表記する場合には気を付けた方がいいでしょう。
「次善策」の類語
「プランB」
スパイ映画などを見ていると現在進行中の計画が失敗した時に「プランBに変更だ」というセリフを耳にします。今までのはプランAだったのか?とツッコみたい所ですが、プランBはよく使われる言葉です。
「プランB」の意味は「これまで続けてきた計画が頓挫した時に発動される次善の策」です。プランAが駄目になった時に次という意味で「B」が使われています。ではプランCがあるのか気になりますよね?プランCも存在します。
基本的にプランはAから順にZまで使うことができるようですが、そこまで計画を立てることも頓挫することも珍しいので、限度はあるでしょう。
「代替案」
「代替案」の正式な読み方は「だいたいあん」です。しかし現在は「だいがえあん」と読む人が増え、それでも良しとする風潮になっています。
「代替」の意味は「代わりになるもの」です。「代替の商品」「代替エネルギー」「代替バス」などの表現がよく使われています。
「代替案」の意味は「既に発表されている案に代わる同等の案」です。「代替案」は既存の案がうまくいかなかった時などの不測の事態が起きた場合に採用される案です。
「次善策」の英語表現
「次善策」は英語で「second best (policy)」が最もポピュラーです。もちろん類語で紹介した「plan B」も使うことが可能です。
【例文1】
- The second best policy can benefit the company a lot.
- 訳:次善策でも会社にとっては大きなメリットになる。
【例文2】
- ”The restaurant I was aiming at was closed.” ”Is there no plan B?”
- 訳:「行きたかったレストランが休みだった」「次善策はないの?」