「反骨心」とは?意味や使い方をご紹介

「反骨心」とは、権力や権威ある者、目上の者などに対してでも、自分の意見や主義をはっきりと主張し行動に移す心のありかたを意味する言葉です。単なる我儘ではない、信念や正義感に裏打ちされたものである「反骨心」という言葉の意味と使い方を、類語をまじえてご紹介します。

目次

  1. 「反骨心」とは?
  2. 「反骨心」の使い方
  3. 「反骨心」の類語
  4. 「反骨心」の対義語

「反骨心」とは?

「反骨心」(はんこつしん)という言葉は、権力や権威ある者や目上の存在、あるいは、世間一般の慣わしや風潮などに対し、はっきりと異を唱えたり、改革などの行動に移したりすることができる心のありかたを意味します。

より深い理解のために、「反骨心」の「骨」の字がどのような意味で用いられているかを検証してみましょう。

「骨」は、第一義としては、もちろん生物の「骨」を意味します。骨や骨格は生物の身体を物理的にしっかりと機能させる「核」として機能するものです。そこから転じて、物事の要、中心、という意味も持っています。

物事の要や中心は、すなわち、権力や権威を持つ者、世間に周知されている常識やルール、風潮であったりします。「反骨心」とは、そのような人物や事象(骨)に抗う(反する)心であるといえます。

「反骨心」の使い方

「反骨心」という言葉を使う時の一番のポイントは、「反骨心」を向ける対象が、「骨」すなわち、物事の中心的存在であるということです。

自分より力を持たない者、目下の者、あるいは単なる個人的な意見などを対象として使う言葉ではないことを理解しておきましょう。

もうひとつのポイントは、「反骨心」の背景が、正義感や自己の信念であるということです。したがって、「反骨心」には、賞賛されるべき要素が含まれています。その正義感や信念がはたして真に正しいか否かは、また別の問題です。

権力、権威ある者や世間の風潮にただ反抗するだけであれば、単なる目立ちたがり屋、もしくは、反抗を楽しむクレーマー的気質と言われても仕方ありません。

「反骨心」の文例

(A男)

山田専務は、その方針に疑問を感じたら、社長、会長に対してさえ自分の意見をはっきりと伝えることができる反骨心溢れる存在だよ。

(B子)

私の彼は、弱者切り捨ての今の政治はおかしいからと、次の選挙に立候補する予定なの。その反骨心にあらためて尊敬の念を抱いているわ。

(C男)

君は、教師や先輩たちにすぐに文句を言うが、それではただの絡み屋だ。本当の反骨心には、必ず正義感や強い信念がともなうものだよ。

「反骨心」の類語

「気概」の意味と使い方

「気概」(きがい)とは、困難にくじけず、乗り越えていく強い信念をもった気性、また、従来の価値観にとらわれず、ものごとを開拓しようという進取の気性を意味する言葉です。

「反骨心」のような、権威や権力ある中心的存在への抗い、ということに特化した意味はありませんが、そのような行為は、通常は困難をともない、あらたな価値観を切り開いていくことにつながるため、「気概」を「反骨心」の類語と見なすことができます。

【文例】前田先生は、この学園の前理事長が経営を私物化していることにいち早く気づき、全教師に共闘をうったえ、ついに前理事長を退任させて学園を正常化させた。彼は実に気概ある人物だよ。

「反骨心」の対義語

「付和雷同」の意味と使い方

「付和雷同」(ふわらいどう)とは、自分の意思や考えをはっきりと持つことなく、他者の意見にあっさりと従うこと、賛同してしまうことを意味する言葉です。

「付和」は他者への同調を意味し、「雷同」は、雷の音にすぐさま反応する、ということから、他者の意見に簡単に同意する、という意味に転じました。

小さな音や美しいメロディに反応するというのではなく、雷鳴に驚き従う、というあたりが、「反骨心」の「権力者への抗い」と見事に対義をなしていますね。

【文例】小林課長は、次長がこういえば、はい、その通りです、部長がああいえば、まったく同感です、の繰り返し。付和雷同の人生もいいところだ。


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