天然の意味
「天然」とは辞書的には次のような意味になります。
- 人の手が加えられていない、自然そのままの状態を指します。「人工」や「養殖」と比較される場合にはこの意味です。
- 生き物に使われる場合、生まれつきの本性、ありのままで天性のものも「天然」と呼びます。「先天的」や「生得的」といった意味ですね。
ところが、人の正確や特徴について使う場合はどちらの意味でもありません。その場合は「天然ボケ」の略です。「ボケ」とは元々漫才用語で、とぼけたことをして人々の笑いを取る役割でした。大抵はどうすれば面白いか、笑いをとれるか研究の末に出来上がります。
けれど、この「ボケ」の役割を笑いを取ろうという意図なく素でやってのける人もいます。それが「天然ボケ」です。ここではこちらの意味について取り扱います。
天然の特徴
「天然」の定義は人によって様々です。多くの場合は純粋で穏やか、楽観的で子供っぽい、常識の斜め上をいく人のことを指します。その他、優しくて平等、抜けているといった特徴も見られます。
純粋
「天然」と呼ばれる人は純粋な心を持っています。裏の意味を考えるのが苦手で人を信じやすく、だまされやすい傾向にあります。だまされていわゆる「ボケ」を繰り返すこともあります。
いわゆる「シリアスな笑い」のように、素直で真面目な人が勘違いしていたり空回りしているからこそ笑いにつながるのでしょう。
また、純粋で優しいので周りの人はそれだけリラックスして癒されます。実際、「天然」の特徴に癒し系や優しいと答える人も多くいます。肩の力の抜けた分、笑いが多く生まれるのかもしれませんね。
常識がない
「天然」の人は常識に疎い人が多いです。非常識というと悪い意味になってしまいますが、それだけ素直ということです。
一般常識とは違う解釈をするため、常識を良い意味で裏切ってくれます。本人は常識通りに行動しているつもりでも、その常識は周りの人の常識とは違っています。結果、勘違いが多い、抜けていると思われてしまいます。その勘違いが漫才の「ボケ」に見えてしまいます。
ポジティブ
「天然」の人は基本的にポジティブで楽観的です。人と価値観がずれているのはかならずしも良いことばかりではなく、それなりに失敗もしています。それでも行動する程ポジティブです。
子供のようなところもあり、好奇心も強いです。しばしば年齢に合わない子供っぽい仕種(しぐさ)が見られ、無邪気でかわいらしいと思われがちです。
自分の世界を持っている
常識にとらわれないので、自分だけの世界を持っています。よく言えば周りに流されず自分の価値観を大事にしています。悪く言えばそれだけ周りに合わせないとなります。ギリシア神話の「レダの卵」のように自分の世界を持っているから常識を超えていくのか、常識にとらわれないから自分の世界が生まれたのかは謎です。
我がままというよりは人の目を気にしない、自分が好きなことをひたすら楽しめるという解釈がなされます。
天然とあほの子
「天然」と似た性格に「あほの子」があります。どちらかというと2次元のキャラに使われる言葉で、萌え要素の一つです。いわゆる「おバカキャラ」です。
「天然」も「あほの子」も定義が厳密ではないので同じ意味で使われることもあります。しかし、大抵は次のような点で区別されます。
考えの深さ
「あほの子」と「天然」は考えの深さによって区別されることがあります。いわゆる「天然」の人は考えた上での発言や行動が人と異なっています。対して「あほの子」はそもそも考えが浅い、あるいは考えてすらいないことが多いです。
主義主張
「あほの子」には主義主張や目的が普通ではないこともあります。荒唐無稽で非現実的であることもあれば、下らない目的に大真面目に取り組んだり、目的は真面目なのに手段がばかげていることもあります。
天然の類義語
「天然」の類義語は「あほの子」だけではありません。いくつか紹介しましょう。
- 無邪気
- 天真爛漫(てんしんらんまん)
- 天衣無縫(てんいむほう)
- 浮世離れした
- 変わり者
- ゆるふわ系