「天真爛漫」の意味と使い方
「天真爛漫」という言葉は、使用される場面によって、微妙にニュアンスが変わる言葉です。それぞれのシーンの意味や使われ方について詳しくみてみましょう。
1.元気いっぱいの子どもに対しての「天真爛漫」
「無邪気で、あどけない可愛らしい子ども」という意味で使われます。子どもの純粋な愛らしい言動を慈しんだ言葉です。とにかく可愛くてたまらない、そのような意味が込められています。
・「子どもは天真爛漫で癒されるわ」(純粋で癒されるわ)
主に大人が、心思うままに言動している子どもに対して、羨ましいという感情を含みつつ、使用される場面が多いかもしません。
2.飾らない人柄を褒めた「天真爛漫」
大人同士でも時と場合によっては、取り繕わない、素直な言動に対しての褒め言葉として使われることがあります。
気どることなく、大人になっても子どものような純粋な心を持ち合わせている人に対しての褒め言葉として使われることが多いでしょう。
・「○○さんはいつも天真爛漫でいい性格をしているね」(○○さんはいつも飾らなくていい性格をしているね)
例えば、会社の親睦会などの場面で上司が部下のことを話題に出したときに、褒め言葉として使われることもあるでしょう。
3.身勝手さ・単純さを皮肉った「天真爛漫」
上の2つの内容とは異なり、子ども染みていて「考えが浅く単純すぎる」「幼稚だ」「空気が読めない」などという皮肉の意味を込めて、「天真爛漫」という言葉を使い、相手への不快感を遠回しに伝える人もいます。
・例文「子どもみたいに天真爛漫だね」(子どもみたいに深い考えがなくて単純で幼稚だね)
この場合、言葉の向け先は大人になります。言葉をかける方としては、子どものように無邪気な行動と対比させて「大人としての自覚を持ちなさい」「大人の行動を取りなさい」と言っている言葉だといえるでしょう。
「天真爛漫」の類義語
次に「天真爛漫」と似たような意味を持つ四字熟語をご紹介します。
天衣無縫(てんいむほう)
飾り気がなく、無邪気なこと。天人の衣服には人工的な縫い目がないことから、美しく自然のままである、という意味からきており、そこから飾り気がなく無邪気であるという意味です。
天真流露(てんしんりゅうろ)
天から与えられた純粋さゆえに心の奥底までみえるほど自然の姿をしていること。「露」という漢字は、ここでは、「あらわにする」という意味があります。
「天真爛漫」との違い
「天衣無縫」、「天真流露」どちらの四字熟語にもいえることは、天から与えられた神聖で清らかなものという意味が先行しているのが特徴です。
反対に、「天真爛漫」は、どちらかというと世俗的な意味を持つといえるでしょう。さらに「天真爛漫」は、皮肉った意味でも使われることの多い言葉であるという特徴もあります。