「前代未聞」とは?意味や使い方を例文も含めてご紹介

「前代未聞」について、どのような意味で使うかご存知でしょうか。この四字熟語を耳にしたことがある方の中は、「あまり無い」というような意味で使った経験がある方も多いかもしれません。こちらでは「前代未聞」の意味や使い方について、例文などを交えて説明しています。

目次

  1. 「前代未聞」の意味とは?
  2. 「前代未聞」の使い方と例文
  3. 「前代未聞」の意味に似た四字熟語
  4. 「前代未聞」の反対に近い意味の四字熟語

「前代未聞」の意味とは?

前代未聞」(ぜんだいみもん)とは、今まで聞いたことがないような風変わりな物事や、それまでにない非常に大変な出来事を指す四字熟語です。

「前代」は今よりも前の時代、すなわち過去のこと。「未聞」は、読み下すと、未だ聞いたことがない、つまり初耳であるということです。

「前代未聞」の使い方と例文

「前代未聞」は、これまでの歴史の中でかつて起こったことが無い(ような)出来事を表せます。いくつかの状況に分けて説明します。

また、以下のように「前代未聞の〇〇」という形で、物事を表す語を後に付けて使う例も多く見られますので使いこなすと便利かもしれません。

  • 前代未聞の珍事…現在まで聞いたことがない珍しい事
  • 前代未聞の事態…今まで耳にしたことがないような物事の成り行き
  • 前代未聞の挑戦…今まで他の人がしたことがないことに立ち向かう

まれにしか起こらない物事

「前代未聞」は、極稀にしか起こり得ない出来事を表す際に使えます。特にポジティブな意味やネガティブな意味かを限定することなく、珍しい事実を述べたり、人の関心を引くように表現したりする場合もあります。

【例文】

  • 野球の「珍プレー好プレー」の番組では、往年の守備の名手がヘディングキャッチをする前代未聞のプレーを放送している。
  • SNSで一躍有名になった小さな神社に人が押し寄せ、参拝者が前代未聞の数に上るそうだ。
  • 真面目な性格で通っている彼女の忘年会でのモノマネは、前代未聞の珍事として社内の人に語り継がれている。

今までにない偉業・素晴らしい成果

「前代未聞」は、物事をやり遂げた人を称賛するポジティブな意味合いで使う場合があります。

例えば、スポーツなど新記録の達成や、人の役に立つ新発見や開発を行ったことなどを、今までにない偉業や成果として「前代未聞」とし、当事者に敬意を表するような例が該当します。

【例文】

  • オリンピックで3連覇という、前代未聞の活躍をしたA選手にお越しいただきました。
  • 新型流行病に効果のある新薬を開発した研究チームは、前代未聞の功績があると認められ表彰された。
  • B監督の最新作は海外の映画祭でも話題となり、前代未聞の脚本だと評価が高い。

非常に凶悪な事件・悲惨な出来事

「前代未聞」は、珍しい凶悪な事件すさまじい出来事について、かつてない悲惨なことがあったと強調するように使う場合もあります。重篤な被害者が多く規模の大きい事故や悲惨なテロ、広範囲に影響を及ぼす自然災害などが挙げられます。

【例文】

  • 戦後に起こった前代未聞の事件として、小説の題材になったものがある。
  • あのような前代未聞のテロは絶対に許すわけにはいかない。
  • 先程のニュースで、前代未聞の多重衝突事故を扱っていた。

「前代未聞」の意味に似た四字熟語

空前絶後

空前絶後」(くうぜんぜつご)とは、非常に珍しい、もしくは、稀であることという意味です。「空前」は今までには無いこと、「絶後」はこの時点以降もあり得ないことをいいます。つまり、これまでもこれからも無いので、滅多に無いという意味で使われます。

【例文】

  • この作品を見逃さない方がいい。空前絶後の話題作だよ。
  • あんなにトントン拍子に上手く行くなんてありがたい。空前絶後のラッキーだよ。
  • 今年の星回りは非常に珍しく、空前絶後の出来事が起こるんだって。良い方に向かうといいけどね。

破天荒解

「破天荒解」(はてんこうかい)とは、それまで誰もやったことがないことに挑戦し、初めて成し遂げた人、前例のない型破りなことをする人を表します。「破」は前例を破ること、「天荒」は「未開の地」、「解」は中国の官吏を登用する「科挙の本試験」です。

科挙の試験の合格者を輩出できない荊州(けいしゅう)を未開の地に例え、そこから前例を破って合格した人が現れたことに由来しています。

【例文】

  • Cさんは単身で海外に渡航して技術を習得し、初めて日本に広めた破天荒解の人物だ。
  • Dさんは常識にとらわれないアイディアを出し続けた破天荒解な偉人として知られている。

「前代未聞」の反対に近い意味の四字熟語

日常茶飯

日常茶飯」(にちじょうさはん)とは、いつものご飯とお茶、つまり、毎日の食事から来ている語で、毎日のありふれている出来事いつもの身近なことで取り立てて言うべきものでもない物事をいいます。「日常茶飯事」(にちじょうさはんじ)と表す場合もあります。

【例文】

  • 出かける前に親から「早く支度をしなさい」と叱られるのは、朝の日常茶飯の風景だ。
  • 焼き魚を狙う猫と素知らぬ顔をして酒のつまみにする父、我が家の日常茶飯事だ。

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