「津々浦々」の意味とは?
「津々浦々」(つつうらうら/つづうらうら)は、全国どこでも、ありとあらゆる場所、国中という意味の四字熟語です。
「津」は船着き場や港のこと。「浦」は海が陸地に入り込み、波が静かな場所を指していて、この場合は海岸のことです。
日本は島国で周囲を海に囲まれいるため、港や海岸は数多くあります。「津々浦々」は、それぞれの漢字を重ねて強調することで、「どこの港でも、どこの海岸でも」ということを表現しています。
また港や海岸は、多くの場合、交通の要所でもあります。それらを網羅ことが、国内のありとあらゆる場所を網羅することへと転じていったのかもしれません。
「津々浦々」の使い方
「津々浦々」は、現在では国中のありとあらゆる場所を表す例がほとんどです。どちらかというと、世界各国の場所よりも日本国内の様々な地域を指すことが多いでしょう。
また、社名や企業のサービスなどで「津々浦々」を使う例も。この場合は、全国の名産品や選りすぐりの食材を集めて、顧客に提供しているという印象を与えています。
「津々浦々」を使った例文
- 日本全国津々浦々、精巧な工芸品を展示している博物館がある。
- デパートの物産展には、津々浦々より集めた美味しいお菓子やお弁当が揃っている。
- SNSのおかげで、あの地方アイドルグループの名は津々浦々で知られている。
- うちのおじいちゃんは、退職後に全国を津々浦々を旅している。
「津々浦々」の類語
至る所
「至る所」(いたるところ)とは、行く先々の場所、あらゆる場所という意味。この場合の「至る」は、広い範囲に及ぶ、行き渡るということです。
「津々浦々」と意味は似ていますが、「至る所」が指す範囲は日本国内に限りません。範囲を明記しないこともありますし、学内、町内、世界などさまざまな範囲に対しても使います。
【例文】
- 商店街の至る所に防犯カメラが設置された。
- Aさんの名前は至る所で話題にのぼる。
随所・随処
「随所/随処」(ずいしょ)とは、あちらこちら、そこら中、どこにでもという意味です。「津々浦々」のように実際の場所だけでなく、文章や作品、立ち居振る舞い、生活などの部分を指すこともあります。
【例文】
- 観光客を歓迎する看板が随処にかけられている。
- 彼の熟練の技は、出品作の随所に見られる。