「唯一無二」の意味とは?
「唯一無二」(ゆいいつむに)とは、その物や人以外には同じものがなく代わりにならないことや、非常に突出していて他に肩を並べられるような存在がいないことを表す四字熟語です。
「唯一」は「そのものが唯(ただ)1つだけである」ということ、「無二」は「他に2つとは無い」という意味です。両方の熟語とも「それだけしかない」ことを表し、「唯一無二」で同じような意味の熟語を重ねて強調しています。
「唯一無二」の使い方と例文
「唯一無二」は人や物について使うことができます。人であれば相手への褒め言葉になり、他に対等に張り合える人がいないくらい非常に優秀な人や、他に代わりとはならないような大切な存在を表す時に使えます。「唯一無二の秀才」「唯一無二の親友」などのような例が見られます。
物に「唯一無二」と使うのであれば、代替出来ない大事な物、希少で価値のある物を表す時に使います。「唯一無二の記念品」「唯一無二の貴重な家宝」「唯一無二の骨董品」などのような例がありますね。
「唯一無二」を使った例文
【人に使う】
- 作家のA先生は、幼少時代から「この地区で唯一無二の優等生だ」と言われていたそうだ。
- Bちゃんは小さい頃からの友人で、私にとっては唯一無二の大切な存在です。
- Cくんは学業もスポーツも優秀で性格も良く、学校では唯一無二の人気者です。
【物に使う】
- 部活動の大会でもらったトロフィーは、唯一無二の思い出の品です。
- 博物館には、オークションで高値が付いた唯一無二のダイヤモンドが展示されている。
- 骨董品を鑑定士に見てもらったら、「唯一無二の品ですから大切にしてください」と言われた。
「唯一無二」の類語
不同不二
「不同不二」(ふどうふじ)とは、同じものが2つとしてないということ、言い換えると、たった1つのだけの存在ということですね。
「不同」は同じではない様子、「不二」は2つとしてないという意味です。「唯一無二」のように、同じような熟語を重ねて意味を強調しています。
【例文】
- 母のハンドメイドの財布は不同不二の品です。
- 考えてみると人はみな不同不二の存在と言えるね。大切に生きなくちゃいけないよ。
比類ない
「比類(ひるい)ない」とは、他と比べようもないほど素晴らしいという意味です。「比類」は比べられるくらいのもので、それを「ない」と打ち消しています。他とは群を抜いた優秀な存在である物や人を表す意味で「唯一無二」と似ていますね。
【例文】
- イタリアのテノール歌手、マリオ・デル・モナコは比類ない輝かしい歌声で「黄金のトランペット」と称賛された。
- 全国大会に参加できるのは、私にとって比類ない経験です。
掛け替えのない
「掛け替えのない」(かけがえのない)とは、他に代わりがないということや、代わりがないくらい大切であるという意味です。「掛け替え」とは予備のために用意しておく同じ種類の物のことです。
「唯一無二」の意味である、2つとして存在しないことや、そのくらい大事であることを表すのと似ています。
【例文】
- 親にとって自分の子供は、いくつになっても掛け替えのない存在のようだ。
- 彼女は、うちの部署には掛け替えのない優秀な人物です。
「唯一無二」と反対に近い表現
凡庸
「凡庸」(ぼんよう)は、取り立てて優れた所も見えずに平凡でありふれたさま、そのような人物のことをいいます。「唯一無二」のように代わりがきかない存在のことをいうのとは、反対に近い意味を持った語です。
「凡」のこの場合の字義は、ごく普通でありふれていることをいい、「庸」は偏りがなく普通であることです。同じような意味の字を重ねて強調している熟語ですね。
【例文】
- 一見目立たない凡庸な人に見えるけれども、実際の彼はどういう人物なんだろう?
- 新入社員には期待していたんだけど、みな凡庸な仕事ぶりでがっかりした。
- 現在開発中の商品を見せてもらったが凡庸な出来で、担当者に再考を促した。