「滔々」とは?意味や使い方をご紹介

「滔々」と聞くとなんとなく水のイメージがありますよね。それともスピーチなどの話し方でしょうか。「滔々」は使い方によっていくつもの意味があります。今回はそれぞれの意味や使い方、例文などを順を追って一つ一つ紹介していきます。

目次

  1. 「滔々」の読み方
  2. 「滔々」の意味
  3. 「滔々」の使い方
  4. 「滔」の字義
  5. 「滔々」を英語で

「滔々」の読み方

「滔々」の読み方は「とうとう」です。アクセントは「とうとう」と先頭以外を強く読みます。このアクセントの違いで、ついに、最後にはという意味の「到頭」と区別がつきます。

「滔々」の意味

「滔々」は以下のとおり複数のものを表現する言葉です。いずれの用法にも共通しているのは、止まることのない勢いで流れているということです。

  • 水が流れる様子
  • 人が話す様子
  • 時間や時代の流れ

水が流れる様子

「滔々」は水が流れる様子を表した言葉です。一つの場所に留まることも、よどんで停滞することもなく流れていくことです。早くもならず遅くもならず、一定の速度で流れていることを表します。

渦はもちろんのこと、水しぶきも立たないくらいの速度を表して使われることが多いですが、例外的に滝から落ちる水の様に、勢いのある流れにも使われる場合があります。

人が話す様子

「滔々」はまた人が話すペースも表します。言葉に詰まったり、言いよどんだりすることもなく、ずっと話している様子です。

話の内容ではなく、話し方を評価した言葉です。「流暢(りゅうちょう)」に似ていますが、外国語をネイティヴの水準で使いこなす「流暢」に対し、「滔々」は母国語を淡々と話していることを表します。

時間や時代の流れ

あまり多くはありませんが、「滔々」は時の流れや時代の移り変わりにも使われます。「時の流れる速さが、いつも変わらず常に同じ速さで進むこと」を表します。

このほか、「変わりゆく時代の中で同じままの事柄などない」という意味もあり、時間は水の流れと同じく一定の速さで、しかし確実に流れていることを表します。

「滔々」の使い方

「滔々」は「滔々と」の形で、動作を説明する副詞として用いられます。名詞を説明する際には「滔々たる」の形をとったり、複合名詞をつくったりします。

「滔々」を含む四字熟語には「滔々汨々(とうとうこつこつ)」や「滔々蕩々(とうとうとうとう)」などがあります。いずれも水が勢いよく流れていくという意味です。

「滔々」の例文

  • 人里離れた山奥を滔々と流れる川。
  • 彼は集中して話すのが得意だ。ヤジが飛んでも調子が変わらず滔々と話し続ける。
  • 時間の流れはいつだって変わらず、ただただ滔々と流れていく。
  • 連れてこられたのは人気のない川沿い、聞こえるのは滔々たる水の音だけだ。
  • 滔々とした話しぶりを見ていると、少し心病ましくなる。

「滔」の字義

「滔々」は「滔」を重ねた畳語(じょうご)です。「滔」の字は水が大きく広がっていく様子から、大きさや広さ、動きなどの意味を持っています。

「滔」はサンズイと「舀(ヨウ)」を合わせた形声文字です。サンズイはもちろん水の意味ですね。「舀」は臼で水をくむという意味ですが、ここでは寿に通じて水のつながりや広がりを表します。

「滔々」を英語で

flowing, swifty

「滔々」の英訳例としてまず「flowing」が挙げられます。流れるという意味の動詞「flow」でお馴染みですね。流れるような、流暢な、といった意味です。その他、髪が長いことや服がゆったりしていることも表します。

次に「swifty」という単語もあります。非常に速く、素早くという意味です。速さを表す単語には「fast」がありますが、「swifty」の方がよりフォーマルです。

話す様子

話す様子であれば、まず「fluent」があります。流暢なという訳で定着しつつある言葉ですね。

なぜか日本では片言でも流暢と解釈されることがありますが、本来は高度に使いこなした水準です。

意外なところでは「silver」も話し方の評価として使われます。有名な格言「沈黙は金、雄弁は銀」に由来するらしく、雄弁な話し手ということです。

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