「有り様」とは?意味や使い方をご紹介

「有り様」は、物事の状態などを表す言葉ですから、さまざまな場面で使われています。また、「有り様がない」のように否定のかたちで使われることも珍しくありません。とはいえ、日常の会話でよく使う言葉とは言えないでしょう。今回は「有り様」の意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「有り様」の読み方
  2. 「有り様」の意味
  3. 「有り様」の使い方
  4. 「有り様」の関連語

「有り様」の読み方

「有り様」と書かれていたら、あなたは「ありよう」と「ありさま」のどちらの読み方を選びますか?「有り様」は「ありよう」と読むのが一般的なようですが、「ありさま」と読んでも間違いではありません。

ただ、「ありさま」と読む場合には、「有様」と表記することが多いようです。ですから、「有り様」と書かれていたら「ありよう」と読む方が無難だと言えるでしょう。

「有り様」の意味

有り様」(ありよう)には、以下のような意味があります。

  1. 物事の様子。
  2. ありのままの状態。
  3. あるべき姿。
  4. あるべきわけ。

なお、もし「ありさま」と読む場合には、「物事の状態や状況」「人の身分や境遇」などの意味です。このうち前者の意味は、「ありよう」の意味1「物事の様子」とほぼ同じと言ってもよいでしょう。

では、1~4のそれぞれの意味を使い方とともに詳しく見ていきます。

「有り様」の使い方

1.物事の様子

「物事の様子」とは、外から観察してわかる、物事そのものの状態や状況のことです。物の見た目や人の容姿といったものに加えて、政治や社会などの世の中の状況のことも指します。

また、物事が移り変わっていく様子や移り変わった結果のことを「有り様」と言うこともあります。

【例文】

  • あの両親の有り様を見ていると、彼らの子どもたちのことがいろいろと心配になる。
  • 世の中の有り様は、時代の流れとともに変化していく。

2.ありのままの状態

「ありのまま」には、「偽りのない事実のまま」「実際にあったとおり」という意味があります。ですから、「ありのままの状態」とは、実際にあったとおりの現象や状況のことを指します。

この意味で「有り様」を使う場合には、「有り様言えば」「有り様言えば」といったかたちで、事実をありのままに述べる際に使われることも多いようです。

【例文】

  • 私の家族の有り様を言えば、崩壊寸前の状態に近い。
  • 私たちのチームの有り様を申し上げたら、あなたはきっと驚くでしょう。

3.あるべき姿

「あるべき姿」とは、人が考えることができると同時に実現可能である最高の状態のことです。「理想的なあり方」と言うこともできます。

1や2の意味では、すでに在る物事や観察することのできる状況のことを指していましたが、この意味で使う場合には、まだ実在していない、これから目指すべき姿や状況を指して使うことができます。

【例文】

  • 我が社のこれからの有り様について、全社員とともに本音で語り合った。
  • この地域の有り様を考えると、解決すべき課題が多すぎる。

4.あるべきわけ

「あるべき」には「当然そうあるはずの」という意味があり、「わけ」には「道理理由」といった意味があります。このことから「あるべきわけ」は、当然そうあるはずの道理を表しています。「道理」とは「物事のそうあるはずの道筋」のことです。

この意味で使う場合には、「~ない」のような否定を表す言葉を伴って「有り様がない」といったかたちで使います。「あるべきわけがない」「あるはずがない」ことを表し、物事の筋道が通らないことを意味します。

【例文】

  • すべてが丸く収まるような方法など有り様がない。
  • そんな現実離れしたことなど有り様がない。

「有り様」の関連語

実相(じっそう)

実相」には、実際の状態・ありのままの真実の姿という意味があります。また、仏教用語としても使われ、その際には宇宙に存在するありとあらゆるもののありのままの姿を意味し、「真如(しんにょ)」とも言います。

【例文】

  • 彼女はこの世の中の実相を知った。
  • 実相に触れることで初めて知ることもある。

実態(じったい)

実態」とは、物事や現象のありのままの状態のことです。会社の経営状態などのような「外から観察してもわかりにくいものの本当のところ」を指して使われることも多くあります。

「じったい」という言葉には「実態」だけでなく「実体」もありますが、「実態」が「物事や現象の実際の状態」を表すのに対して、「実体」は「物事や現象そのものの本当の姿かたち・本質」を表す言葉です。

【例文】

  • 組織内部の実態を外部の人間が把握することは、なかなか困難である。
  • 社員の勤務実態を調査するための特別チームを立ち上げた。

有り体(ありてい)

有り体」には、偽りのないこと・ありのままであることという意味があります。「有り体に言えば」というかたちで、自分の思っていることを正直に述べるときや真実を隠さずに伝えるときなどに使われることが多いです。

また、世間一般と同じ程度であることを指して「世間並み」「普通」という意味でも用いられます。

【例文】

  • 有り体に言えば、この会社はこれまでと何も変わっていない。
  • それが有り体な話です。


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