「しゃっこい」の意味とは?方言の使い方を含めてご紹介

「しゃっこい」という言葉をご存じですか。「しゃっこい」は北海道・東北地方の方言で、「冷たい」という意味です。温暖な地方に住む人には耳慣れない言葉かもしれませんね。この記事では、「しゃっこい」の意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「しゃっこい」とは
  2. 「しゃっこい」の使い方
  3. 「しゃっこいまつり」
  4. 「冷たい」を意味する別の方言
  5. 「しゃっこい」と「しばれる」の違い

「しゃっこい」とは

かき氷を食べたとき、あま~い、おいし~い、頭がキーンとする(アイスクリーム頭痛)、つめた~い、などさまざまな感想が出てくるでしょう。

かき氷のような冷たいものを食べり、氷や雪などを触ったりした時に感じる冷たいという感触、これが「しゃっこい」です。

「しゃっこい」は方言で、主に北海道や東北地方で使われています。中には、「しゃっこい」を「ひゃっこい」とか「ひやい」と発音する人もいるようです。

「冷たい」とは

「冷たい」という感触は誰もが体験して知っているものですが、意味は二つあります。一つは、「物の温度が低くて、ひんやりと感じること」、もう一つは「人情が薄く、愛情や思いやりがないこと冷淡なこと」です。「しゃっこい」は前者の意味を表します。

「しゃっこい」の使い方

「しゃっこい」は、肌や舌が温度が低い物に触れたときに発する言葉です。

【例文】

  • 仕事の後の冷たい生ビールは最高!そういえば、北海道出身の課長は、この間、ビヤガーデンで、キンキンに冷えたしゃっこいビールはうまいって言ってたなあ。
  • 木枯らしがしゃっこくて、耳がちぎれそうだ。
  • 春になって流れてくる雪解け水がしゃっこい
  • 猫が板の間でからだを伸ばして昼寝をしている。真似して床に顔をつけてみたら、しゃっこくて気持ちよかった。

「しゃっこいまつり」

北海道の羊蹄山(ようていざん:蝦夷(えぞ)富士)の麓にある京極町には、1985年に国の名水百選に選定された「ふきだし公園」があります。

ここでは毎夏、「名水の里きょうごくしゃっこいまつり」が開催されています。名水で作ったかき氷早食い競争、名水流しソーメン、名水野点(のだて)、氷の宝探しなどの「しゃっこい体験」が楽しめる、毎年大勢の人で賑わうイベントです。

「冷たい」を意味する別の方言

「冷たい」を意味する方言を以下にいくつかご紹介しましょう。ただ、これらの地域以外にも例示した言葉使われている場所もあります。

  • ひじゅるさん:沖縄地方。「みじ(水)ぬ、ひじゅるさんよー(水が冷たいよ)」
  • ちゅんてえ:宮崎。「川の水がちゅんてえね(冷たいね)」
  • ひやこい:和歌山、奈良、徳島、大阪など。「手がひやこい」
  • ひゃっこい:大阪、徳島、静岡など。(「ひやこい」が転じたもの)
  • はっけ:岩手、新潟など。「はっけ手だな(冷たい手だな)」
  • ちぶたい・ちびたい・ちぶてえ:石川、富山など。「ようひえてちぶたいわ(よく冷えいて、冷たいね)」

「しゃっこい」と「しばれる」の違い

「しゃっこい」と同じく、北海道や東北地方でよく使われる方言に「しばれる」があります。「しばれる」は厳しく冷え込む凍るという意味です。漢字で書くと「凍れる」となります。

「しゃっこい」は、物質の温度が低いことを指すので、水などに触れたときの冷たさを表現します。一方、「しばれる」は、「今朝はしばれる」のように気温がとても低いことや、「バケツの水がしばれた」のように凍りつくことを指す言葉です。

「しばれる」が表す寒さは、「寒い」よりも「痛い」という感覚に近いと言われています。あまりの寒さに燃料用の柴が割れることから「しばれる」という言葉が生まれたという説があるくらいですから、「しばれる」が表す「寒さ」が想像できますね。

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