「思いやり」の意味や使い方
「思いやり(思い遣り)」は、他人の身の上や立場になって親身に考えること、相手の立場や気持ちを理解しようとする心や気持ちのことです。
例
- 思いやりのある人
- 思いやりの心
- 温かい思いやりを感じる
- 思いやりに欠ける
「思いやり」の類語
「思いやり」の類語は「同情(どうじょう)」「あわれみ(哀れみ、憐れみ)」です。他人の気持ちや境遇を察し、かわいそうに思うことです。
「同情」は特に他人の不幸や悲しみを、その身になって思うことを言います。「思いやり」もほぼ同じ意味合いですが、相手の身になる程度が「同情」の方が強く出ています。また、「同情」は自分より目上の者に対しても使うこともありますが、「あわれみ」は自分より目下の者に対して、「思いやり」は自分と同等または目下の者に対して使います。
例
- □□の念をもつ…○思いやり、○同情、○あわれみ
- □□に値(あたい)する…×思いやり、○同情、×あわれみ
- □□を施(ほどこ)す…×思いやり、×同情、○あわれみ
- □□のある人…○思いやり、×同情、×あわれみ
その他、似た言葉合いの言葉に以下のようなものがあります。
気を配る
- 心尽(こころづ)くし
- 心配(こころくば)り
- 気配(きくば)り
- 配慮(はいりょ)
- 心配
- 心遣(こころづか)い
- 気遣(きづか)い
- 気働(きばたら)き
- 算段(さんだん)
- 心添(こころぞ)え
- 砕心(さいしん。摧心)
- 腐心(ふしん)
- 高配(こうはい)
- 心砕(こころくだ)く
- 心を注ぐ
- 心を入れる
- 心を傾ける
- 忽(ゆるが)せにしない
- 目端を利かす(めはしをきかす)
- 気持ちを酌(く)む
- 老婆心(ろうばしん)
- 献身的(けんしんてき)
- 己の欲せざる所人に施すこと勿れ(己のほっせざるところひとにほどこすことなかれ)
- 己の如く汝の隣を愛すべし(己のごとくなんじのとなりをあいすべし)
同情
- シンパシー
- コンパッション
- 情が移る
- (じょうがうつる)
- 共感(きょうかん)
- 温情(おんじょう)
- 情けをかける
- 労(いた)わる
- 見かねる
- 見るに見かねる
- 見るに忍びない
- 捨てては置けない
- 同病相哀れむ(どうびょうあいあわれむ)
哀れに思う
- 憐憫(れんびん)
- 垂憐(すいれん)
- 憐惜(れんせき)
- 憐情(れんじょう)
- 悼(いた)む
- 不憫(ふびん)
- 気の毒
- かわいそう
- 胸が痛む
- 心痛(しんつう)
- 痛々しい(いたいたしい。傷々しい)
- 涙ぐましい
- 身につまされる
「思いやり」の英語
「思いやり」の英語は、consideration、compassion(思いやり)、attention、care(気配り)、sympathy(同情)、pity(あわれみ)、console(慰める)、appreciate(ねぎらう)などがあります。
- 彼女はとても思いやりがある…She is quite considerate.
- 思いやりのない人…an inconsiderate person
- 彼は彼女の気持ちに決して思いやりを見せなかった…He never showed any consideration for her feelings.
- 気配りする…pay careful attention to/be considerate of
- 彼らのもてなしは気配りが行き届いていた…Their hosts were very attentive to their wants.
- 病人を労わる…care for a sick person/nurse a sick person
- 高齢者を労わる…be kind to elderly people
- 上司たるものは部下を労わらなくては…Those in high positions must be considerate of their subordinates.
- 選手を労わる…show one's appreciation for a player's efforts